仮に今カラオケに行ったとしても、俺に歌える曲は何もない。
まずタバコの吸いすぎなのか、気管をやられて会話レベルの声さえまともに出ない。そうでなくとも、もう５年以上もカラオケに行っていないのだ。声帯は完全に衰え石化しているだろう。
さて俺の中高時代と言えば、ヴィジュアル系バンドの全盛期だ。俺もまたＶ系にドハマリした一人である。そして類は友を呼ぶのか、周りの友人もそんなのばっかだった。
従ってカラオケでは、
GLAY ラルク LUNA SEA 黒夢
GLAY ラルク LUNA SEA 黒夢
GLAY ラルク LUNA SEA 黒夢
GLAY ラルク LUNA SEA 黒夢
のエンドレスリピートだ。
しかしV系のアホみたいな高音キーは10代だから成せる業。そのハイテンポ連打、今じゃとても歌いこなせる自信がない。
そして百歩譲って歌いこなせたとしても、世代違いの人にとってあれはただの奇声だ。騒音公害でしかない。
「俺の青春時代を否定するつもりはない。けれど例えばミスチルやコブクロ、スキマスイッチ。オジサンになっても歌える曲も２、３曲引き出しに持っておけば良かったな」。