以前職場にて、俺より3歳年下のパートのママさんと談笑していた。そして彼女が俺に言ってきた。「私ね、ドラえもんのものまねが出来るんだよ」。俺は野暮にも思わず聞いてしまった、「それって”大山ドラえもん”ですか、それとも”水田ドラえもん”ですか」。するとママさんはキョトンとして、「えっ、水田わさびのドラえもんだけど」。
そのママさんのドラえもんのものまねは恐ろしく似ていなかったのだが、それは今はわきに置いておく。全く他意はなかったとは言え、俺はドラえもんファンとして自らの言を悔いた。「なんという愚問をしてしまったのだ。水田わさび氏がドラえもんの声を務めて早や10年以上。今現在お子さんと一緒に『ドラえもん』を観ているママさんにとって、ドラえもんといえば”水田ドラえもん”に決まっているではないか」。
◆日本を代表するアニメといえば?
(「gooランキング」より)
1位 ドラえもん 3815票
2位 サザエさん 2856票
3位 ONE PIECE 2304票
4位 ドラゴンボール 2088票
5位 それいけ!アンパンマン 485票
6位 鉄腕アトム 468票
7位 名探偵コナン 444票
8位 ポケットモンスター 420票
9位 ルパン三世 366票
10位 宇宙戦艦ヤマト 315票 ※以下略
俺は30年来のドラえもんファン、バリバリの”大山ドラえもん”世代である。当然ながら俺もまた、声優・大山のぶ代氏を敬愛してやまない一人だ。しかしながらアニメ『ドラえもん』リニューアル後の10余年、俺は前と変わらず『ドラえもん』を視聴し、”水田ドラえもん”を心の底から応援してきた。俺は一部の『ドラえもん』のオールドファン、”大山ドラえもん”を過剰に懐かしむあまり”水田ドラえもん”を誹謗する人たちには全く以て賛同し兼ねる。本当のドラえもんファンならばこそ、『ドラえもん』の未来に向けて”水田ドラえもん”を支えていくべきではないのか。
言うまでもなく、大山のぶ代氏は偉大なドラえもん声優であった。アニメ『ドラえもん』成功の立役者と言っても良いだろう。しかしそれは、”水田ドラえもん”を否定する理由にはなり得ない。現代、次世代、そのまた次世代の子供たちが愛し継いでいく『ドラえもん』を、否定する理由には断じてなり得ないのである。