別館病棟、そこはまさに”死の館”!?入院中、俺は本館病棟から別館病棟へ移動となった。別館病棟、そこはまさに”死の館”であった。築何十年か分からない木造社屋、廊下は昼でも薄暗く、通された2人部屋にベッドはない、あるのは古びた畳と布団だけ。俺は直感した、「隔離病棟だ。築当初、ここは隔離病棟だったんだ」。 何十年も昔、恐らくその病棟には、例えば肺結核などを患った人たちが外とは断絶され閉じ込められていたのだろう。ならば俺の寝起きする畳の上で、かつて不遇の死を遂げた人もいたかも知れない。全ての報われぬ魂に天の加護があらんことを。