AKB48の48thシングル『願いごとの持ち腐れ』が6/12付オリコンシングルランキングで初登場1位、初動売上130.6万枚を記録。これによりAKBのシングル・アルバム総売上は5000万枚を突破、サザンオールスターズを抜いて日本歴代4位に躍り出た。さらに歴代3位の浜崎あゆみとの差はわずかに45万枚であり、次のシングルで浜崎を抜いて歴代3位、女性歌手歴代1位となることが確実となった。
◆歌手別シングル・アルバム総売上
1位 B'z 8182万枚
2位 Mr.Children 5912万枚
3位 浜崎あゆみ 5056万枚
4位 AKB48 5011万枚
5位 サザンオールスターズ 4894万枚
6位 DREAMS COME TRUE 4356万枚
7位 松任谷由実 3948万枚
8位 GLAY 3853万枚
9位 ZARD 3746万枚
10位 宇多田ヒカル 3622万枚
11位 SMAP 3518万枚
12位 安室奈美恵 3239万枚
13位 CHAGE AND ASKA 3141万枚
14位 嵐 3048万枚
15位 松田聖子 2966万枚
16位 L'Arc-en-Ciel 2927万枚
17位 globe 2893万枚
18位 Kinki Kids 2606万枚
19位 中森明菜 2538万枚
20位 TUBE 2455万枚
さて、俺は20年に及ぶ音楽チャートマニア歴の中で、ずっと探していたものがある。それは「B'zに迫る2番手」だ。今思えば、90年代は「ミリオンセラー時代」であるとともに「B'z一人勝ちの時代」であった。90年代前半、B'zの次点に着けていたのはドリカムである。けれどB'zとドリカムの売上格差は歴然であり、そこにあったのは一強多弱の構図であった。
しかし90年代半ばになってミスチルが登場。凄まじい勢いでCDを売上げ、限りなくB'zに迫る存在になるかと思われた。ところがミスチルは1997年、人気絶頂期に1年半の活動休止に入ってしまう。これはあまりに手痛いロスであった。その間に売り損ねたCDはざっと1000万枚以上にもなろう。かくしてミスチルもまたB'zに近づくことならず、多弱の一角を成すにとどまってしまう。そして2000年代に入りCDセールス氷河期に突入、B'z一強の構図はそのまま凍結されてしまった。
けれど10年代になってAKBが台頭。仮に彼女らが現状ペースで人気下降を辿ったとしても、最終的にCD総売上6000万枚を軽々と突破、6500万枚辺りにまでは伸ばしてくるだろう。「B'zに迫る2番手」、ドリカムもミスチルも果たせなかったことを、もしかしたらAKBが為してしまうのかも知れない。
もっとも、こんなことを書いたら俺はきっと音楽ファンに怒られてしまうだろう。「B'zが売ったのはCD、AKBが売ったのは握手券だ」。その件につき、俺はAKBの肩を持つ気は毛頭ない。反則というならこれ以上の反則はないだろう。しかしAKBには到底及ばぬまでも、B'zはB'zであからさまに記録を意識した、なかなかにえげつない商法をこれまで何度も展開してきた。「だからB'zとAKBは互いにフェアである」、とまではさすがに言えないが。