日本の最高学府・東京大学。かつては世界大学ランキングにおいて常にTOP10入りしていた同大学であるが、最新のランキングでは34位。アジア内に目を向けても、シンガポール国立大学(シンガポール、12位)、清華大学(中国、24位)などに完全に追い抜かれてしまった形だ。そして京都大学が37位、他の日本勢は圏外である。
そんなジリ貧の日本の大学教育であるが、2020年より入学試験で「新センター試験」が実施される。要は詰め込み教育を廃して、総合的な思考力を評価しようという試みである。しかし日本の中学高校の教育現場では、詰め込み教育に代わる実践的な教授スタイルが全く確立されていない。“脱・詰め込み”、そのパターンは「ゆとり教育」の際に試みて、散々たる結果に終わったではないか。
そもそも文科省のお偉いさんたちは、根本的な部分で間違っている。いくら入試に趣向を凝らしても、それは何の意味もない。日本の大学が取り組むべき問題は入試ではなくその後、在学時に遊んでいる学生をいかに勉学に向かわせるかではないだろうか。