藤子・F・不二雄といえば漫画『ドラえもん』の作者にして、”漫画の神様”手塚治虫とも並び称される日本漫画界の大巨人である。児童漫画の第一人者として、他にも『キテレツ大百科』、『パーマン』、『エスパー魔美』、『21エモン』など数多くの人気作を輩出。没後も今尚その功績は決して揺らぐことはない。
人は地位や名声を得ると、往々にして驕り高ぶるものだ。『おぼっちゃまくん』作者・小林よしのり、『まじかる☆タルるートくん』作者・江川達也などがその好例といえよう。まして国民的人気作『ドラえもん』の作者となれば、どれほど尊大に振る舞っても然るに及ぶまい。しかし藤子F氏には、そういった”大人のいやらしさ”が微塵も感じられないのだ。
◆日本を代表する漫画家といえば?
(「gooランキング」より)
1位 手塚治虫 (代表作/鉄腕アトム) 10751票
2位 藤子・F・不二雄 (ドラえもん) 4715票
3位 鳥山明 (ドラゴンボール) 3704票
4位 尾田栄一郎 (ONE PIECE) 2212票
5位 藤子不二雄A (笑ゥせぇるすまん) 833票
6位 井上雄彦 (SLAM DUNK) 610票
7位 松本零士 (宇宙戦艦ヤマト) 517票
8位 あだち充 (タッチ) 506票
9位 青山剛昌 (名探偵コナン) 457票
10位 赤塚不二夫 (天才バカボン) 443票 ※以下略
藤子・F・不二雄、例えばウィキなどで氏の人となりを調べると、そこに在るのは純粋無垢な一人の空想家の姿だ。デスクにプラモデルや恐竜の模型を並べ、他の煩わしい一切には目もくれず、ただ好きな漫画制作だけにひたすらに打ち込む。それはまるで大人となり汚れゆくことをやめた、さながら”10歳の少年”である。
我々が子供だった頃、目に映る全てがキラキラと輝いていたはずだ。もしもこの光に満ちた眩しい世界が永遠に続くなら、永遠に”10歳の少年”のままでいられたならば。しかしいつしか視界は汚され、見たくないものをたくさん目にし、そうして皆大人になった。だからこそ人々は青年、壮年になっても『ドラえもん』を親しむのだろう。