【妄想劇場】 ヒットマン

ある化学薬品工場が、地震によって損壊した。
それは全人類にとって、とてつもない損害であった。

この工場から漏れ出した新型ウィルス、通称”ヒットマン”は、
凄まじい空気感染力を持ち、
たった１日で日本列島、１週間で世界全域の、
ほぼ全ての人口に感染した。

”ヒットマン”が発症すると、
全身の血管が破壊され、３時間以内に例外なく失血死に至る。
”ヒットマン”の抗ウィルス薬の造成は、
現代の化学技術では不可能とされている。

また、”ヒットマン”は100％の確率で母子感染する。
つまり世界全人類は、
以後永劫”ヒットマン”の脅威下に置かれることとなった。



しかし、”ヒットマン”の体内潜伏期間は約120年である。
事態を受け日本政府は、
とりあえず”ヒットマン”の抗薬の開発に１兆円を投じた。

「それでは街の声を聞いてみます。
今回の政府の対応について、どう思われますか？」
「もっと国民の血税を有効に使って欲しいね。
薬を作る前に、まずは年金をしっかり払ってくれなくちゃ…」