【妄想劇場】 言語 | まきしま日記~イルカは空想家~

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

X-78星を出発した探索隊は、
ついに目的の星、太陽系第3惑星付近に到着した。
彼らの目的は、
この惑星に新たな貿易市場を築くこと。

まずこの惑星の言語体系が分からないことには、
交渉のしようがない。
そこで彼らは、
600万星系語を搭載したアンドロイドを第3惑星に送り込んだ。

第3惑星から戻ってきたアンドロイドの報告。
「彼らは一応特有の音波による言語を有していますが、
それが彼らの意思表示に用いられることはほとんどありません。
さらに注目すべきは、
彼らは一切の言語を用いずに互いの行動動機を察知し、
集団内における最も的確な行動を常に選び取り、
秩序を形成しています。
その際、
彼らが音波を発した反応は一切見られませんでした」

この報告を受け、X-78星人は、
第3惑星人は非音波による通信手段を有していると判断。
さっそくその解析に取り掛かった。

しかしその解析は恐らく100年かかっても無理だろう。
彼らにとって不運だったのは、
アンドロイドが降り立ったのが日本であったことだ。