【妄想劇場】 海へ行きたい | まきしま日記~イルカは空想家~

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

父「今度の三連休、どこへ行こうか?」

子「私、海へ行きたい」

父「へ…?海…?」
子「うん、海へ行きたい」

母「海って…あの海のこと?」
子「そう、私、海へ行きたい」

父「海なんか行ってもしょうがないじゃないか…」
子「やだやだやだ、海へ行きたい行きたい行きたい…」



父「火星の三次元シアター自然科学博物館とかはどうだ?」
子「やだ、海へ行きたい」

母「白鳥座ベガで、超光速遊覧宇宙船に乗らない?」
子「やだ、海へ行きたい」

父「そうだ!ワームホールフリーウェイで、
 アンドロメダ星雲までドライブに行くか?」
子「やだやだやだ、海へ行きたい行きたい行きたい…」



子「海でイルカさんと一緒に泳ぐの」
母「あのね、イルカさんは千年以上も前に絶滅しちゃったのよ」

子「真っ白な砂浜で、お砂遊びするの」
父「砂浜は、もう図鑑や絵本の中にしか無いんだよ」

子「お日様を浴びながら、水着でスヤスヤお昼寝するの」
母「お肌を出したままお日様を浴びると、
 ヤケドしてコワ~イ病気になっちゃうのよ」



子「やだやだやだ、海へ行きたい行きたい行きたい…
 私は海へ行きたい、海へ行きたい行きたい行きたい…」



父「ふぅー、やれやれ、誰に似たんだか、頑固な子だ…」
母「でもこの子、本の読みすぎなのよ。
 海水浴なんて、
 死滅した地球の原住民たちがやってた野蛮で未文化的なレジャーじゃない…」