①「Saxophone」と「Selmer」について
「Saxophone」
ベルギー生まれのアントワーヌ-ジョセフ・アドルフ・サックス(Antoine Joseph Adolphe Sax)が考案し、1838年に基となる特許を、1846に楽器としての特許を取得したシングルリード(*注1)の木管楽器(クラリネットの仲間)です。
アドルフは1829年(15歳の時)にはフルートとクラリネットの製作で入賞し、1835年(20歳の時)にバスクラリネットの特許を取得している。
アドルフの父シャルル-ジョセフ・サックス(Charles-Joseph Sax)もまた楽器製作者で、ホルンの設計に功績を残している。
「Selmer」
フランスの「Henri Selmer Paris」と言う楽器メーカーなので「H.Selmer」とポップに記載をされています。
それが、ビンテージサックスの中に「A.Selmer」と記載されているSaxophoneが、先日に行った どの店舗にも有りました。
「Henri Selmer Paris」
クラリネット奏者のヘンリー セルマー(アンリ セルメール:仏)が1885年にParisに創業した楽器製造/販売の会社で、現在はサクソフォンの製造販売をしています。
「Selmer U.S.A.」
ヘンリーの弟アレクサンダー(アレクサンドル セルメール:仏)は、クラリネット奏者(ソリスト)として演奏してアメリカにいた時に、兄ヘンリーの工房で製作された楽器やパーツを販売する店舗を1895年にNew Yorkに開き、1904年にSelmer U.S.A.とした。
その後アレクサンダーはフランスに戻るが、1940年から価格競争力強化と供給不足解消の為、フランスから部品を輸入しアメリカの工房にて彫金/塗装/組立/調整して完成品を販売するKnockdown生産方式を採用し出荷していました。
日本では、仏から製品として出荷されたサクソフォンをH.Selmerと表記し「フラセル」と呼び、仏から部品を輸入し、米の工房で彫金/塗装/組立/調整したものをA.Selmerと表記し「アメセル」と呼んでいます。
右:フラセル 左右対称の葉?蕾?が上を向いています。
左:アメセル 向かって右向きに花が咲いています。
「Selmer Saxophone年表」
1922年 Saxophoneの販売を開始する(Model 22)
1926年 モデルチェンジして販売(Model 26)
1928年 モデルチェンジして販売(Model 28)
1929年 Adolphe Sax社を買収し正統な継承者になる
1930年 他社と異なる設計を採用したCigar Cutter
1934年 Cigar Catterを改良したRadio Improvedを販売
1936年 操作性を改良したBalanced Actionを発売
1940年 Selmer U.S.A.でのKnockdown生産を開始
1947年 Super Action(通称:Super Balanced Action)
1954年 Mark VIを発売
サックス奏者のマルセル・ミュール(Marcel Mule)がアドバイザーとして監修に当たり、Alto/Tenorの機構はほぼ完成され、JAZZ奏者には絶大な人気モデルとなる。
1974年 Mark VIIを発売
ミッシェル・ヌオー(Michel Nouaux)がアドバイザーとなり、音量の増大とコストダウン(細かい部分の仕上げの簡素化)が図られ、重量増加/テーブルキーサイズUPなどにより、賛否両論があるモデルとなった。
また工場製手工業で製造された最後のモデルとされています。
1978年 Selmer U.S.A.の主任彫刻師 他界
1980年 アメセルの生産ラインは廃止となる。
1981年 Super Action 80 Serie-Iを発売
1982年 Selmer U.S.A.はOMEGA 162(Alto)を製造発売
1984年 Selmer U.S.A.はOMEGA 164(Tenor)を製造発売
1986年 Super Action 80 Serie-IIを発売
1995年 Super Action 80 Serie-IIIを発売
2001年 Reference36、Reference54を発売
2007年 Valeurを発売
2010年 Jubileeを発売
「アメセル」と言われるSaxophoneが存在する機種
1940年以降のBalanced Action
1947年以降のSuper Balanced Action
1954年以降のMark VI
1974年以降1980年までのMark VII
Selmer U.S.A.は、1980年にアメセルの生産ラインを廃止した。
1981年以降発売したSuper Action 80 Serie-Iのアメセルは存在しないと思われる。
Conn 6M/10M , Buescher 400TH&C , King Super20 等に続くアメリカ純血のプロモデルサックスの設計製造を行い
1982年発売のOMEGA 162(アルト)
1984年発売のOMEGA 164(テナー)
Buescher400T&CとMark Ⅵが融合した様なモデルであった。
1990年代に復刻OMEGAが発売された事が有るが、こちらはフラセルで、後にReferenceに繋がっていく
アメセル MARK Ⅵ
アメセルの中でもJAZZ奏者に人気が高いのはMark VI Alto/Tenorの初期の5デジット(5桁)で、特にTenorの8万番台の人気は別格、また中期Altoの13万~14万番台、18万番台も人気が高いそうです。
SopranoやBritoneについては情報が殆ど無く、8万番台はMetal Resonator/Metal Boosterで、それ以外はPlastic Resonator/Plastic Boosterとか言われていますが、自分の知合いにリペアの専門家は居ないので良く判りません(・・;)
もちろん自分はリペアマンでも無いですf(^^;
*注1 Reed楽器 種類
Single Reed
代表的な楽器 クラリネット、サクソフォン
Double Reed
代表的な楽器 篳篥(ひちりき)、ファゴット、オーボエ、バグパイプ
Air Reed
薄片を用いず、空気を絞りビーム状にしエッジに当てて、空気振動を作り出し音源とする楽器
代表的な楽器 オカリナ、リコーダー、尺八、フルート、ピッコロ、篠笛、龍笛
Lip Reed
薄片を用いず、上下の唇を振動させ それによって発生する空気振動を音源とする楽器
代表的な楽器 トランペット、ホルン、ユーホニューム、スーザンホーン、法螺貝の笛
Free Reed
枠や筒の中で、薄片が自由に動き振動し、空気振動を作り出し音源とする楽器
代表的な楽器 ハーモニカ、鍵盤ハーモニカ、アコーディオン、笙(しょう)










