ポケモンスリープを始めてからというものの何かと睡眠時間が減っている不思議現象が起きている………寝ないと、とは思っているのだけども。




そんな寝不足イベントの一つにジョン・ウェットン追悼ライブがあった。(また追悼ライブの話になってしまった)



イギリス時間では8月3日の19時から、サマータイムの時差が8時間あり日本では8月4日の3時から始まった。勿論、仕事と重ならない時間という利点もあった。



配信でお金を払ってライブを観るのは初めてだった。ライブは生で観てこそと思っていたので正直なところ、配信か…まあイギリスだし仕方ないかぐらいに思っていた。

実際に鑑賞してみると、意外と悪くなかった。家でのんびりと会話しながら、また配信を観ている人達とチャットを楽しみながら、ゆったりと家で中継の様子を眺めるのは新鮮な感覚だった。知らない人にいちいち緊張する性格の自分にはリラックス出来てとても良い環境だった。





ライブの方は全体を通してポール・グリーンロックアカデミーという学校の生徒による演奏が多く、そこにウェットンの友人ミュージシャン達が加わったりしていた。この学校の生徒達はジョン・アンダーソンとよくライブしているらしい。素人といえど素晴らしい腕を持っていて、レジェンドに負けず劣らずのパフォーマンスを披露していた。

勿論ベテランのみの演奏もあった。生徒達も凄いのだけど、ベテランは格の違いを見せつけてくる。やっぱりこの人の持つ音だなと、改めて感じさせられた。



個人的ハイライトは、スティーヴ・ハケットによるジェネシスのAfterglow、カール・パーマーの来れなくてごめんねビデオメッセージ(何故かスティーヴ・ハウのものは配信しなかった)、そしてサプライズ登場したビル・ブルーフォードが叩くブライアン・フェリーのLet's Stick Togetherだった。






Afterglowをウェットンが歌っていたのも嬉しいと思っていたけれど、Let's Stick Togetherのベースを弾いていたのは知らなかった。調べてみるとTokyo Joeでも弾いていたと知り、驚いた。昔から好きだった曲に好きなミュージシャンが参加していたと後から知るのは、もっと早く知りたかったという気持ちとだから好きなのかという謎の納得の感情が入り混じる複雑な興奮がある。


ジェフ・ダウンズ、ビリー・シャーウッド、ジェイ・シェレンというほぼ現行イエスメンバーによる(というか元メンバーとオリジナルメンバーなのだけど)エイジアも良かった。プラスでジョン・ミッチェルと無名の新人ハリー・ウィットリー。余談だがミッチェルのソロプロジェクト、ロンリー・ロボットにはニック・カーショウが参加しているらしい。ハリーはYouTubeに上げたエイジアのカバー動画がジェフに見つかり、今回のイベントの参加に繋がったそうだ。ウェットンのテイストに似た素晴らしい歌声の持ち主で、ベースボーカルという形に拘っていないのであればエイジアのメンバーになって欲しいと思うくらいだった。再生回数が少なくとも誰が見ているかわからない

YouTube、ネットに公開してみるというのも手であり大きなチャンスに繋がるのだなと思わされた。


そしてこれも余談だが、前方の観客席の右側の方に一部のジェネシスファンなら気付くかなという人物、リチャード・マクファイルがチラチラ映り込んでいてとても気になった。二つあるジェネシスの前身バンドのうちの一つ、ジ・アノン(もう一つはガーデン・ウォール)のボーカルをやっていた人物であり、その後はジェネシスのツアー・マネージャーなどを勤めていた人物である。お陰でトニー・バンクスも来ていないかちょっとだけ探してしまった。



うるさいダンブルドア似の司会者(PROG誌編集長?)や手際の悪いローディーがいなければ5時間超ほど掛からずもっと円滑に進んだのではないかとも考えられるが、これだけアマチュアからプロまで大勢の人が集まってウェットンが絡んだ様々なバンドの曲を聴けるというのはとても楽しかった。一部プロなのに練習不足?なおじさんもいたが(笑) 眠い時間にも関わらず一睡もせず見続けられたというのはかなり満喫出来たのではなかろうか(←好きで興味があっても割と寝てしまうタチ)。




ウェットンも微笑みながら眺めたり、時には参加したりしていたのかなと想像してしまう。そんな穏やかな空気のライブだった。