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フレイヘイトのブログ

お暇なら来てよね 私さびしいわ~

通し狂言 絵本合法衢
作 四世鶴屋南北
監修 奈河彰


出演
片 岡  仁左衛門   中 村  時    蔵   片 岡  孝  太  郎 
 片 岡  愛  之  助   市 川  男  女  蔵   中 村  梅   枝       
 片 岡  市   蔵  市 川  高 麗 蔵   坂 東  秀   調
 片 岡  秀  太  郎   市 川  左  團  次                     ほか

国立劇場 2012年4月3日(火)~2012年4月23日(月)

4月15日 昼の部 2等A席にて観劇

国立劇場開場45周年記念公演 
南北が描く悪2役を片岡仁左衛門にて再演
ちなみにタイトルの読みは「えほんがっぽうがつじ」
歌舞伎のタイトルって難しい・・・しかし覚えると何とも賢くなった気分(自己満足)
前回の公演を見逃した為 今回は発売初日に即 花外前方席購入

冷酷非情な左枝大学之助と、立場の太平次が軸となってお家乗っ取りの為の悪の限りを尽くす「悪」が主役の物語(最後には悪は仇討の前に倒れてしまうのだが)。この悪二役を演じきるのが片岡仁左衛門
序幕から、二幕、三幕、大詰と出るは出るは死人の山。 敵、味方、通行人、女子供も関係ナシ! 二人に関わる人々はことごとく殺させていくスリリングな物語 。
おっと、暗がり・・・・また死人がでるな・・・ワクワク。といった感じでさすがは南北といった作風。
また殺す際に一切の躊躇が無い。じゃまと感じれば即刻命を奪う 二人の悪が実にカッコがいい。
残虐シーン目白押しだが歌舞伎でこその様式美で何とも小気味よい
「女殺油地獄」の狂気とはまた違った、悪の魅力が舞台を彩っている。
休憩を3度?入れて約4時間の長丁場。一切の無駄のない飽きさせない展開で歌舞伎初心者にも是非みて欲しい作品。

やはり仁左衛門の悪役は美しい。殺しの後の表情に何ともゾックとさせられる。
その高い演技力と魅惑的な立ち居振る舞い、姿かたちで見事な悪の華を魅せてくれる。素晴らしい役者だ。
同じ時代に生き、演じる作品を目にできて実に幸せと感じさせてくれる数少ない本物の歌舞伎役者だとおもう。