ソフィーとお母さんが台所でお茶の時間にしようとしていました。すると突然、玄関のベルが鳴り…、そこにいたのは毛むくじゃらの大きなとら。「ごめんください。ぼく、とてもおなかがすいているんです。お茶の時間にご一緒させていただけませんか?」先日次男が選んできたこの絵本。ちょっと意外な選択でした。読んだことはないけれど、タイトルだけは知っていると思ったら1968年の初版以来、世界で300万部を売り上げもっとも人気のある絵本作品のひとつと言われている作品なのだとか。次男にも「おもしろかったよ」とおすすめされたので読んでみました。タイトル通り、お茶の時間にトラがやってきます。ジャングルの中の一軒家というわけではなく、街中のおうちに。かなり唐突ですチャイムが鳴ってドアを開けたらトラがいるそしてお腹がすいているから何か食べさせた欲しいとは。しかもこんな直接的な言い方ではなく礼儀正しく丁寧に「お茶の時間にご一緒させていただけませんか?」確かにトラって紳士的なイメージ。だけど、その後の行動はあまり紳士的ではないティータイム用のサンドイッチやパン、ビスケット、ケーキだけでは足りずに作りかけの夕ご飯や冷蔵庫の食料、棚の缶詰めもみんな食べてしまうとは。しかも会話もなく、黙々とそして「そろそろおいとまします」最後まで言葉遣いだけは礼儀正しいトラ。行動とのアンバランスさに突然やってきたトラを怖がる様子もなく、お客さまとしておもてなしする母娘。トラにすりよる女の子の姿が愛らしい。そしてトラが帰ったあと、女の子が買ったものは…。状況だけが淡々とつづられていてトラを含めた登場人物の気持ちは絵から推し量るだけ。そのせいか、驚くべきストーリー展開なのに、不思議とすんなりはいりこめます。絵もかわいくて、色づかいの美しい絵本です。
こどもの本棚
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