最初、読み方がわからず、
モトハチマン。
町の名前をそう言ったら
あの子は笑った。
あの子の通う学校の寮が、この街にあった。
電話をかけると代表電話に繋がる。
今みたいに携帯も無かった頃。
きっと受付にダイヤル電話があったのだろう。
知らない誰かが出て、取り次ぎがあって、
その時間に相手がそこにいれば、やっと話すことができた。
毎回、緊張感を持ってあの子を呼び出す。
本人の
「もしもし?」
の、声が嬉しかった。
あの時も今も、うまく話すことはできない。
すれ違いや、わだかまりをぬぐえないまま年月が過ぎていった。
想いは時とともに
変わっていく。
初めて降りた駅。
あの頃と同じ景色は残っているかな、と
あてどもなく歩く。
今ではすっかり街並みが変わったのだろう。
でも、面影なんてもともと最初からわからない。
自分にとって、名前すらあいまいだった街だもの。
遠い遠い、いつかの街並み。
そして今、目の前に広がる街並み。
真新しいタイル敷きの歩道や、ラーメンとかのチェーン店が立ち並ぶ姿は、
明るくきれいに佇んでいる。
まるで、よそ行きの顔で、誰にも構わずにっこり微笑んでいるようで、
どこか孤独でさびしく見える。
時が経って変わっていくのは見た目だけじゃない。
思い出は浄化されて本当のことはわからないまま、ぼんやりと消え去っていく。
後に残るのは、空虚で賑やかで明るくて、
冷たい景色。
#本八幡 #読み方間違い
モトハチマン。
町の名前をそう言ったら
あの子は笑った。
あの子の通う学校の寮が、この街にあった。
電話をかけると代表電話に繋がる。
今みたいに携帯も無かった頃。
きっと受付にダイヤル電話があったのだろう。
知らない誰かが出て、取り次ぎがあって、
その時間に相手がそこにいれば、やっと話すことができた。
毎回、緊張感を持ってあの子を呼び出す。
本人の
「もしもし?」
の、声が嬉しかった。
あの時も今も、うまく話すことはできない。
すれ違いや、わだかまりをぬぐえないまま年月が過ぎていった。
想いは時とともに
変わっていく。
初めて降りた駅。
あの頃と同じ景色は残っているかな、と
あてどもなく歩く。
今ではすっかり街並みが変わったのだろう。
でも、面影なんてもともと最初からわからない。
自分にとって、名前すらあいまいだった街だもの。
遠い遠い、いつかの街並み。
そして今、目の前に広がる街並み。
真新しいタイル敷きの歩道や、ラーメンとかのチェーン店が立ち並ぶ姿は、
明るくきれいに佇んでいる。
まるで、よそ行きの顔で、誰にも構わずにっこり微笑んでいるようで、
どこか孤独でさびしく見える。
時が経って変わっていくのは見た目だけじゃない。
思い出は浄化されて本当のことはわからないまま、ぼんやりと消え去っていく。
後に残るのは、空虚で賑やかで明るくて、
冷たい景色。
#本八幡 #読み方間違い
