昨年の9月には、同じく International Herald Tribune 紙上で、メキシコ市で起こった停電が報じられました。

記事はメキシコ市民の抗議運動に関する記述が中心で、停電の詳しい原因については書いてなかったのですが、私から見ると2点挙げたくなりますね。

(1) 火力発電所への燃料供給がどうなったか
(2) 火力発電所を維持整備する公的資金がどうなったか

メキシコの電力事業が公営かどうか存じませんが、公営だとしたら、国営石油公社の不振によって(2)が起こり得ますね。

同時に(1)も起こり得ますね。国産の燃料供給源に制約が生じるわけですから。

まだ確証はありませんが、この停電騒ぎもメキシコ油田減退が背後にあると私は想定しています。


もし私の想定が正しいとすると、このまま油田減退が続くとともに国家財政は危機に瀕し、市民生活へのエネルギー供給が脅かされ生活水準の低下が起こるだろうと考えます。

ますます多くのメキシコ人が麻薬組織に協力するようになる可能性があります。生き延びるために非合法組織に身を投じる者が増える可能性がある、というわけです。

こう考えると、アメリカ諜報機関がメキシコを安全保障上の懸念として取り上げたことを素直に理解できますね。