燃料だけでなくプラスティックもバイオマスから製造しようと、本田技研工業とRITEは研究を進めていると報道されました。


日本経済新聞朝刊 9月7日(金) 15面
「汎用樹脂ポリプロピレン 雑草から合成 地球環境機構など
 CO2排出、石油の3割 3-4年後実用化めざす」

(Quote) 地球環境産業技術研究機構は本田技術研究所と共同で、雑草を原料に汎用樹脂のポリプロピレンを合成する技術を開発した。ポリプロピレンは自動車部品や包装材など様々な分野で使われている。量産化できれば石油を原料にしなくても済むようになり、地球温暖化対策に役立つ。三、四年後目標に実用化する。

 脱石油の技術開発はバイオエタノールなど燃料分野で先行していたが、プラスチック分野にも拡大してきた。

 植物に含まれる繊維(セルロース)を糖に分解した後、遺伝子を組み替えた大腸菌などの微生物を利用してアルコールの一種「プロパノール」を作る。これを使ってポリプロピレンを合成する。雑草二-三キログラムからポリプロピレン一キログラムができるという。

 植物を原料にしたプラスチックとしては、従来もトウモロコシなどを原料にポリ乳酸と呼ぶ樹脂が作られている。ただ食糧のために原料価格が高騰している。また、性能面でも耐熱性や強度で課題があり、用途が限られていた。

 ポリプロピレンはフィルムや容器、自動車部品として使われる汎用樹脂で、国内生産量は年間約三百万トン。開発した技術を利用すれば、幅広い用途での代替が期待できる。石油からポリプロピレンを作る既存の設備も活用できるため、量産が可能という。

 植物原料のポリプロピレンはバイオエタノールと同様に地球温暖化対策として期待される。原料となる植物の生産工程などを考慮しても、石油からつくる場合に比べ、二酸化炭素(CO2)を約三分の一に削減できる。

 世界的にトウモロコシやサトウキビを原料にしたガソリン代替燃料のエタノールが急速に普及しているが、この流れが樹脂の分野でも広がる可能性がある。ポリプロピレンの国内取引価格は現在、バブル期以来の高水準に跳ね上がっている。

 植物から汎用樹脂を作る試みは海外でも盛ん。米ダウ・ケミカルはブラジル企業と共同で、サトウキビ由来のバイオエタノールを原料に、レジ袋や容器などに使うポリエチレンの生産に乗り出している。 (Unquote)


5月にバイオマスコンビナートについて連載しましたが、その中の

5月20日の投稿:「#332 コンビナート(3)」
http://ameblo.jp/mattmicky1/entry-10033438114.html#cbox

5月21日の投稿:「#333 コンビナート(4)」
http://ameblo.jp/mattmicky1/entry-10033439233.html#cbox

と技術的に良く似ている感じがしますが、記事には明確に書いてはありません。