では、記事をご紹介しましょう。全文を抜粋します。長いので2回に分けます。
日経産業新聞 2007年5月2日(水) p8
「バイオマスコンビナート構想 植物からプラ大量生産 来年度にも本格始動 産学28者が連携」
(Quote) 石油の代わりに植物を原料にしてプラスチックを生産する--。こんな計画が二〇〇八年度にも本格的に動き出す。三菱化学や出光興産など化学メーカーが中心になり実現に向けた実験を始めた。原油価格の高騰や地球温暖化に対応する新技術として注目される。
計画は化学メーカーで組織する財団法人・化学技術戦略推進機構が立ち上げた。「バイオマスコンビナート構想」と名付け、化学メーカーに加え、協和発酵、出光興産が参加。得られた植物プラスチックの利用者としてホンダや日立製作所、キヤノンなども名を連ねた。東京大学や九州大学も研究に協力する。十九社、五大学、四つの研究機関が参加した。
プラスチックを生産する工程は石油を原料とする場合と基本的に同じ。原料が違うだけだ。植物に含まれるセルロースなどを微生物で発酵、まずエタノールを合成する。これを化学反応によってプラスチック原料のエチレンやプロピレンを作る。ポリエチレンなどは自動車の内装材や電線の被覆材、家電製品など幅広い用途が期待される。
出光興産の杉紀男研究顧問は「百万トン規模でエチレンを生産するのが目標だ」と意気込む。百万トンは国内で消費される量の一割に相当する。計画ではブラジルや東南アジアなどのサトウキビからエチレンを現地で合成する考えだ。
植物由来のプラスチックのため、環境面での利点が大きい。国内で販売が始まった自動車用燃料バイオエタノールと同じように温暖化ガスの排出を抑制できるからだ。 (Unquote)
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