光合成は可視光でなされるのだとばかり思っていましたが、赤外線で光合成できる生物がいるのだそうです。

この機能を高等植物に取り込んで光合成量を増加させられるかもしれません。

日本経済新聞夕刊 2007年4月10日(火) p3

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赤外線で光合成 海洋細菌
通常植物より能力5%高く 京大が仕組み解明

京都大学の三室守享受らは目に見えない赤外線を使って海洋細菌が効率よく光合成する仕組みを解明した。二酸化炭素(CO2)と自ら酸素と当を生産する光合成は事実上、明るい可視光でしか起こらないが、この海洋細菌は通常の植物よりも約五%、光合成の能力が高いという。

細菌の遺伝子を植物に組み入れるとCO2の効率的な吸収源開発につながり、温暖化対策に役立つ可能性がある。

効率的な光合成の仕組みを持つ海洋細菌はアカリオクロリス。熱帯地域から南極までの深さ百メートル以下の海中に生息する。「クロロフィルd」と呼ばれる特殊な葉緑素を持つ。

通常の葉緑素は波長三百-七百ナノ(ナノは十億分の一)メートルの可視光線しか使えないが、新たに七百-八百ナノメートルの近赤外線も利用できる。通常の葉緑素よりも五%程度多くの糖や酸素を作り出せる。

海では藻類などの光合成で毎年二十億トン前後のCO2(炭素換算)が吸収される。今回の発見により九州の広さに相当する森林が吸収する約二千万トンが上乗せされ、これまで考えていた以上に海のCO2吸収量が大きい可能性がある。

研究成果は米国科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。 (Unquote)

詳しい発表内容は京都大学ウェブサイト上で見ることができます。

http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/070410_11.htm