4月22日(日)に掲載した1月12日付「記事(3)」には、こういう記述があります。

(Quote) ...(前略)... 供給削減は昨年十一月積みから四カ月連続。重油の精製比率が高く価格の安い重質のアラビアンヘビーについては、二〇-三〇%の削減を通知された石油会社もある。 ...(後略)... (Unquote)

他の記事も概ね「重質油の供給量を削減し、軽質油の供給量は契約どおり」と書いてあります。

これは何を意味するのか考えたあげく、そして4月に入ってからの West Texas Intermediate と Dubai の価格逆転現象を見て、#302で書いた次の仮説を立てたのです。

「サウジアラビアの油田で、昨年から中重質油の生産がうまく行かなくなった」

まず思い出されるのは、このニュースです。

Asharq Alawsat 2006年9月2日 "Saudi Aramco Buys First-Ever Fuel Oil Cargoes" (Reutersからの引用)
http://aawsat.com/english/news.asp?section=6&id=6235

同じ記事は Energy Bulletin にも掲載されています。

http://www.energybulletin.net/19997.html

サウジアラビアが昨夏に重油を輸入したわけです。史上初めて。

それから、#271で参照したこの2つも思い出しましょう。年率8%の減産、という分析です。

The Oil Drum 2007年3月2日
http://www.theoildrum.com/node/2331

The Oil Drum 2007年3月8日
http://www.theoildrum.com/node/2325

まとめるとこうなりますね。

(A) サウジアラビア1国で、全体として2006年は年率8%の減産

(B) 史上初めて石油・石油製品を2006年に輸入(重油)

(C) 2006年11月から重質原油の輸出を削減。重質原油に限ると減少率は20%程度?

(D) OPEC全体としては、2006年10月時点で日量2750万バレルあった生産量を、11月から2630万バレルに削減

(E) 2006年12月時点の生産量からさらに日量50万バレルを削減

さて、そこで、#306の記事(8)を見てみましょう。重要なグラフがあります。