畑に撒いた窒素肥料や、あるいは根粒菌が合成してくれた窒素化合物が流出しないようにする方法論の研究もなされています。これにより窒素の効率的な利用が望めます。
日経産業新聞 1月19日(金) 9面
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窒素肥料 流出を防ぐ物質
国際農林水産業研究センター 熱帯の牧草で発見
国際農林水産業研究センターなどのグループは、土壌にまいた窒素肥料の成分が大気中や地下水に流出してしまうのを防ぐ物質を、熱帯地域の牧草から発見した。この物質が分泌される仕組みを分子レベルで解明し、品種改良や遺伝子組み換えで作物に組み込めば、窒素が土壌から流出するのを防げる可能性がある。生産コスト低減や環境汚染防止につながる。
作物の栽培時は植物の栄養となる窒素を補うため、窒素肥料をまく。だが窒素は、土壌にいる細菌の「硝酸化成」という働きによって硝酸イオンに変換され、その過程で肥料中の窒素の約七割は大気中や地下水に流出してしまう。
国際農林水産業研究センターの伊藤治生産環境部長と、コロンビアの国際熱帯農業センターの共同研究グループは、南米で牧草として使われる「ブラキリア・ヒュミディコーラ」というイネ科植物が、窒素の少ない土壌でも育つことに着目。この成分の根や葉から分泌される成分の中から、細菌が窒素を硝酸イオンに変換する「硝酸化成」の働きを防ぐ物質を四種類、特定した。 ...(後略)... (Unquote)
今すぐにとはとてもいきませんが、将来的には、窒素肥料不足への対抗手段を我々は手に入れることができると思います。