アサヒビールがさとうきびから製造するバイオエタノールを事業化しようとしつつあることをご存知の方は少なくないと思います。

2月8日の「ガイアの夜明け」で取り上げられてましたからね。

その番組中でも言っていたことですが、アサヒビールは「バイオエタノールの製造原価を1リットルあたり30円」とすることを目標としているようです。これは遠い将来の目標ではなく、近い将来の具体的な事業化を目指した目標のようです。

そのことは、9月8日の日経産業新聞5ページでも再度取り上げられてました。

街では1リットル140円くらいで今ガソリンが販売されていますね。その4割は税金です。

揮発油税 48円60銭/liter
地方道路税 5円20銭/liter    合計 53円80銭/liter

小売価格が消費税抜きでリッター130円と仮定しますと、税金を除いた部分が76円20銭ということになります。

もちろん、何がしかの利益を石油会社・ガソリンスタンドなどが上げなければなりません。仮に、流通費用や企業の管理費と利益を含めたそのマージン率が製造原価に対して合計10%といま仮定しましょう。そうすると、税金を除いた76円20銭の11分の10が製造原価ということになります。

76円20銭/liter × 10/11 = 69円27銭/liter

この 69円27銭/liter に対して、エタノール 30円/liter が競争力あるかどうか、が事業化する上で問題となります。

結論から言うと、これなら競争力は間違いなくあります。

エタノールのエネルギー密度はガソリンの3分の2だそうです。

69円27銭/liter × 2/3 = 46円18銭/liter

ということは、上記のマージン率の仮定がどれくらい正確かという問題と、ガソリンの販売価格が今後下がるかどうかという問題はありますが、大雑把に言って、リッター40円以下でエタノールを製造できれば、税制上の扱いが仮に同じだとしても現状ではガソリンと勝負できそうだということになります。30円なら十分行けますよ。もっと石油が高騰すれば、余裕です。