代替エネルギー - 天然ガスと石炭 - について、根岸博士は論じています。


Ⅱ部 5章: 天然ガスの生産ピークの予測

ここでは、博士はBPの統計に主に依存しており、以下のように主張しています。

・R/P(Reserve/Production)は65年前後でこれまで推移してきている。

・消費量が増加傾向にあるので、このまま推移すると、将来R/Pが減少する。いずれは、石油同様に減退が問題化するときが来るだろう。

・生産のピークは、早い説で2030年代(ASPO)、遅い説で2090年代。

Reserve/Production とは、「埋蔵量を年間生産量で割った数値」のことです。「現在の生産水準が将来も継続すると単純に考える場合、あと何年間採掘できるか」を考える際の目安となる数値です。


Ⅲ部 2章: 石炭の資源量、埋蔵量、生産量、消費量、R/P

・石炭のR/Pは200~230年。将来回収率が向上するとして、石炭の減退が問題になるのは300年くらい先になるのではないかと考えられている。

・石炭の利用は産出国に偏っている。エネルギー輸入国は石油・天然ガスを輸入することが多い。


Ⅲ部 3章の9: クリーンコールテクノロジー

・CTL(coal-to-liquid: 石炭液化)、DME(dimethyl ether: ジメチルエーテル ・・・ ガソリン代替液体燃料の一種)、石炭火力などが利用法

・日本のクリーンコールテクノロジーは進んでいるので、これを海外に広めるべきだ

筆者註: 個人的な見解ですが、日本のクリーンコールテクノロジーはNEDOが開発した石炭液化(CTL)技術 - NEDOLプロセス - ですが、これは世界的に見て技術水準は高いようです。しかし、商業プラントの稼動実績では、30年以上前からCTLプラントを商業運転している南アフリカに全然かないません。DMEは世界のどこでもほとんど商業プラントの実例がまだありません。石炭火力は、企業によっては日本のレベルは高いようです。