(1) 今後巨大な埋蔵量を新規に発見できるか?

(2) 既存の油田の回収率を劇的に(例えば従来の2倍にまで)上げることができるか?

(3) 上記の2つの少なくとも片方を、比較的少ないエネルギーの投入量で(良好なエネルギー収支で)成し遂げることができるか?

色々調べた結果、これらを実現できる可能性はかなり低そうだ、という側に私は傾いています。

「ハバートのピーク」が最初に観測された地域はアメリカです。アメリカの生産量は1970年が最大でした。その後アラスカの新規油田を加えても生産量は減少し続けています。

油田からの回収率を上げる努力 - EOR (enhanced oil recovery) - 炭酸ガスなどを圧力をかけて油層に注入し、油層の圧力を上げて油が地上に出てくるよう仕向ける技法 - アメリカでは1950年代から始まっています - も生産量低減傾向を打ち破るには至っていません。

回収率をある程度上げることは出来ても、長期的に生産量の減少を止めることはできるほどには増産できない、と経験則が教えてくれているわけです。

長期的に生産量を増やし続けるには、「既存の油田の生産量減少を補って余りある生産力を持つ新規油田を次から次へと見つけ続けなければならない」のです。