ジェニファー・L・スコット著 大和書房



友人から借りた、今話題の1冊。


欧米人に憧れる日本人が書いたのかと思っていたら、アメリカ人の作家だった。


日本で言うところの「断捨離」本に近い内容かとも思うが、


この手の本は読んだだけで自分自身も整理された感じがするから、


不思議と定期的に手に取っている。



まず最初に思ったこと。「パリに行きたいっ!」(笑)


テレビや映画の中でしか見たことのないパリの風景が浮かんでくる。


(今いる自室との違いに愕然とする、と言うとちょっと哀しくなるので、やめとこう。)


去年初めてヨーロッパに行った時に思ったのは、


欧州人はとにかくスタイルがいいから、シンプルな服がキマる、ってこと。


私も160センチあるので、日本にいたら小さい方ではないけど、


あちらの街中では完全に埋もれる。


H&MとかZARAとか見ていても、基本的に色使いも形も極めてシンプル。


日本のブランドとは明らかにテイストが違う。


日本人からしたら、「そもそも作りが違うんですよね。。」とつい嫉妬してしまう。



もとい、話を戻して、


「人にどう思われたいか」よりも、


「自分が何が似合うか、何が好きか」を重視する国民性ゆえに、


服装はいたってシンプルで、服よりも他の事にお金をかける。


この本のタイトルだけ聞くと、「え!?10着だけじゃ生活できない!!」とまず思うけど、


要は「自分の人生を豊かにする、お金と時間の使い方」が書かれているのだ。


自分の好みに合っていて、且つ似合っている、自分が本当に気に入った服ならば


10着あれば十分で、それだけ凝縮していると、服に使うお金はもちろん、毎朝服を選ぶ時間とストレス、


狭いクローゼットを日々整理する手間、、、等々から解放される。



私もご他聞に漏れず洋服大好きで、子供の頃から洋服には相当金を注ぎ込んで来た。


週に2回同じ服で会社に行くなんて考えられないし、


(この本を読んで間違いなく感銘は受けたけど、それだけは実行できそうにない)


おしゃれで可愛い服をたくさん持つ事が当然だと思っていた。


が、35も超えると自然と考え方は変わるもので、


何でも「量より質」だなと実感するようになって来た。


安いものには必ず理由があって、どこまで行っても質は「それなり」であることに気付いたのだ。


安いものの中にも気に入るものはもちろんあるし、使いやすいものだってあるので、


全否定する気は毛頭ない。


値段に関わらず、「本当に必要なもの」を「本当に必要な時」に「本当に必要な分だけ」買う。


これを実行することのむずかしさったら!!


お買い物だけじゃない、時間とか人間関係とか仕事とか、全てに通じる。




この本全般を通して著者が言っているのは、「日常をいかに愉しむか」ということ。


「楽しい週末が終わった後の月曜日の朝が辛くて、嫌々起きて、バタバタ準備して、


朝会社着く頃には疲れてる、なんていう生活をいい加減やめて、


月曜の朝が待ち遠しいと思えるような時間の過ごし方をしませんか?」


との著者の提案が心に刺さる。


ともすると、日々は惰性で流れて行き、全てがマンネリで、不平不満しか浮かばなくなる。


そうじゃなくて、まずは自分が今置かれている環境を心から愉しむこと、


そして、自分で選択して手に入れたこの状況に自信を持つこと。


そんなことを思い出させてくれた本でした。