映画とは通常、
「前評判」によって
興味をそそられ観るものですが、
しかしそれと同時に、
本来、映画とは
座席に座り
上映が始まる前に
心の中で
「前評判」や「先入観」
をできる限り off にして観るべきもの
ではないでしょうか・・・
そういう信条のわたくしですから
映画を観るときはいつも
精神は「無」に近い状態です。
シングルマン・・・
公開されてからもう8年も経つのですね。
わたくしは今になって、やっと初めて観ました。
静かな、静かな映画でした。
老いてなお美しきかなコリン・ファース。
そして
登場する若い青年たちが皆、
瞳の奇麗なこと・・・
また
上映時間が短いのが
簡潔でいい。
ちなみに、この作品で
何よりも真っ先に忘れ去られなければならないのは
まず監督(&その他)が
トム・フォードであるという点だと
わたくしは思いました。
なぜなら
彼には事前のネーム・バリューがあり過ぎるから。
そのような事象に目をくらまされなくても
非常に優れた映画です。
それから
単なるLGBTフィルムとのくくり
(良きにしろ悪きにしろ)も
この作品にはそぐわないと
わたくしは考えます。
こういった予断に影響されなくなると
作品がより一層、楽しめることでしょう。