vol.1 「まったり」
-------------------------------------------------------
大学2年生の時にあの人に出会って
講義をサボるときや待ち合わせに使っていた場所。
校内の校舎と校舎を繋ぐ橋の下にある
小さく隠れた狭い場所。
日陰で少し汚くて
でも、池を見下ろせて
風邪も少し気持ち良くて
落ち着ける場所。
その場所を二人で勝手に「まったり」と名付けた。
全部そこから始まった。
別れたり戻ったり
今は中途半端な関係。
無理に連絡を取ろうとはしない。
たまに連絡が来るし。
それだけでも幸せなことなのかな。
って最近は思うけど
やっぱり寂しい。
この先どうなるのかは分からないし
お互いのタイミングを優先していきたいし
たまに夢に出てくると「何かあったのかな」って
勘が働いて
連絡してみると
向こうも連絡しようとしてたり。
そういうのが続くと信じてしまいたくなる。
「二人だけの特別な直感」だったらって。
一緒にいればいいのに
本当は簡単なはずなのに
歳を重ねれば重ねるほど
難しく考えてしまう。
慎重になってるわけでもないけど
やっぱりタイミングを優先してるんだろうなぁ。
僕らは「まったり」
もし今くっついたら
どんなに幸せだろう。
でも、今じゃない。
もし今だとしたら、きっとすぐ離れてしまう。
時間がかかってもいいから
いつかずっと「まったり」できるタイミングが来ることを。