数日前に、樹木希林さんが「時が来たら 誇りを持って 脇にどけ」という言葉が好きだと言われていたのをテレビで見ました。
良い言葉ですね。
見ようによっては厳しい言葉ですが、退く時に誇りを持っていける人って、実際どれだけいるんでしょうか。
そうできるようにとは思っていますが、私には自信ありません![]()
ただ、引退というのは必要だと私は思っていて、現在の社会が上手く回っていない原因の一つが、日本に「隠居」という制度が無くなった事だろうなと思っていますし、それと同時に寿命の長寿化も絡んできて、ややこしくなっているんだと思います。
農家で考えるとわかりやすいと思うのですが、昔はある程度の年齢になると子供に田畑を譲って隠居をしていたわけですよね。
そうする事によって、財産を子供に譲っていたわけで、その代わりに親の面倒を子は見ていたわけです。
そして、その形式だったからこそ、子は親の言う事を聞いていたんです。
宗教や文化的側面もあったと思いますが、そうしないと単純に財産を譲り受けられないからという側面も強かったと思います。
そして、その譲り受けた財産で、今度は子が親の面倒を見て子を育てていたわけです。
その代わりに、親は子や孫を人生の安全装置として見ていた面もあるでしょうし、労働力としても考えていたと思います。
その形式が、国のシステムとして同じような形で日本では成立していたんです。
しかし、現在では親が財産は死ぬまでやらんと言っているんですね。
しまいには、財産は親の為に使えと言っているわけですし、子や孫はしんどいですよ。
さらに、国が便乗して相続税でガッポリ持っていきますしね。
それで言う事聞けと言っても親が死ぬまで何のメリットもないわけですから、子や孫の世代は言う事なんか聞きませんよね。
会社で働いていても、たいしたお給料を払わないで昇給もさせずにいつまでも利益を吸い続ける人がいて、その人がいなくならない限り自分の生活がマシにならないとわかっているけど、美味しい汁を啜り続けたいからと辞めてくれない人がいたとしたら、その人の言う事なんか聞かないでしょ。
それと一緒です。
ちなみに、これを昭和の社会に当てはめて考えてみると、昔は通常子供を20代に産んで平均寿命が60代だったので、子供が40歳前後の時に遺産が相続され、それがちょうど子供の進学や結婚の時期に重なり、相続した資産がうまく社会に入り、社会が回っていた側面もあったんです。
それが、現在では平均寿命が男女共に85歳前後になり、その頃には子供も高齢者の仲間入りをしていて、子供に金銭が必要なのは孫の世代となり、ひ孫は親がお金を工面できずに奨学金を借りるしかなくなり、借金漬けになるという形になっているんですね。
同じでしょ。
また、これを社会に照らしてみると、会社の社長や会長、役員などがなかなか引退をしないことが多いですよね。
下手をすれば、「生涯現役
」とか言っています。
はっきり言って、70歳くらいになったら引退してくれた方が世の中の人のサイクルが回り出すので、色々なものが生まれてきたり新しい繋がりが出来てきて、社会が上手く回り出すと思います。
なにより、いつまでたっても引退しない上司がいるせいでそれ以上に出世が不可能だったりすると、その下の人たちはやる気を無くすでしょうし、もっと下の世代はもっと出世できずに安い給料で働き続けないといけないんですから。
しかし、現実は役付の居場所が無くなると相談役とかどうでも良いポストに収まって、昔からの人脈や考え方に縛り付けて仕事をした気になっている人がほとんどなんでしょうし、それで会社の進歩を止めている可能性があるという事を考えないのかなと思います。
もちろん、メリットもあるのでしょうが、大手が相談役の廃止をしたりしているところを見ると、やはり邪魔だし無駄なんです。
なので、ある程度の年齢になったら、潔く退く事も大事だと思うんですね。
今の世の中、5年もすれば通用していた技術や考え方は時代遅れなんですから。
そう考えると、自分の持っている知識は数年で化石となるわけですから、下から尊敬されて自分の仕事や人生に誇りを持って引退するのって、かなり難しい時代になりましたよね。
自分は、いつか「いい加減にどいてくれ
」と言われる前に引退できればいいな~と思っています。
しかし、どうも自分の時代には75歳~80歳まで働かないといけないようなので、うまく邪魔にならないようなタイミングを見定めていかないといけないなと思っています。
まあ、それまであと30年以上ありますけどね![]()