私の「令和3年度決算審査反対討論」を巡っては、既にその全文が議事録から削除されたことを本ブログでお伝えしています。ここでは、その内容に踏み込み、削除が妥当かどうか皆様にご判断いただけますと幸いです。一連の9月定例会の本ブログにおける報告はこれで最後になります。

 

 

全文削除に至る経緯

 二宮町議会第3回定例会は9月28日に閉会しました。閉会日の28日の一般会計決算の認定を巡って、私の「二宮町議会は適切に機能していない」とする反対討論に対し、これを不適切とする意見が複数議員から出され、議会は一時紛糾しました。これに対処するため本会議を一時休憩し、緊急の議会運営委員会が招集。同委員会において、私は「不適切とする箇所を具体的に指摘いただければ丁寧に説明する。」とするも、説明を求める議員はなく、議長判断により反対討論全文を議事録から削除する、との結論に至りました。この決定は再開された本会議で議長は全議員に報告しています。

 以上が経緯になりますが、私は一連の議会の対応を受けて、この4年間で二宮町議会は適正に機能していないのではないか? との疑念を抱いていましたが、疑念は確信に変わったと言っても過言ではありません。

 

全文削除は妥当か?

 前述の通り、私は「不適切とする箇所を具体的に指摘いただければ丁寧に説明する。」と申しでたのですが、説明を求める議員はなく、議長判断により反対討論全文を議事録から削除されました。余りにも乱暴な議長判断ではないでしょうか。削除された私の反対討論は公式な記録には残りません。

 以下に、削除されることのなた私の反対討論全文を掲載します。削除は妥当と言えるか?皆様でご判断ください。そして、これを持ちまして令和4年度9月定例会の報告を終わります。

 

<「令和3年度決算審査反対討論」全文>

 令和3年度二宮町一般会計歳入歳出決算のみに反対の立場で討論します。

 令和3年度決算総括質疑をさせて頂きました。今回の総括質疑は私自身の議員生活1期目の集大成としての意味合いもこめて臨ませて頂きました。総括質疑を通して令和3年度の決算の妥当性を検証するため、様々な角度から質問させて頂きましたが、とりわけ私が最重要視したのは、そもそも令和3年度決算の内容を精査する以前に二宮町議会は行政のチェック機能としての役割に鑑み、「適正に機能しているか?」 ということです。機能していると言えないのであれば、決算審査そのものが無意味であり、従って令和3年度二宮町一般会計歳入歳出決算に賛成できる訳がありません。

 令和元年9月定例会に以下の答弁があります。「我々職員は、日ごろ町長から、議員のご質問に対して、その場のやり取りに終始するのではなく、その後ろにいらっしゃる町民の方々にもわかりやすく答弁するよう指導されています。」この町長の指導に従い、すべての職員が質問に真摯に向き合うのであれば、二宮町議会は有意義なものとなり、「適正に機能している」と言えるでしょう。然しながら、議員としての1期目を振り返ると、残念ながら少なくとも一部職員の振る舞いは町長の指導に従っているとは言い難く、とりわけ事務局長の振る舞いを巡っては、議事進行中に私の質疑を妨害するために事細かに議長に指示を出し、その様子がテレビ中継されているとの指摘を視聴者から、そして議場内の他の議員から受けています。そして結論から申し上げますと、事務局長の振る舞いは町長の指示によるものと私は判断しています。

 総括質疑ではこのことを確認するため、令和3年度中の議会内での町長同席のもと行われた質疑に際し、前述の様な「町長の指導を反故にする職員の振る舞い」を目の当たりにした町長は、その後職員に対しどのような指導をしたかを質問することにより、令和3年度の二宮町議会が適正に機能しているか確認したかったのですが、議長に制止され確認できずに終わりました。ただ、町長は職員に対し「何のお咎めもない」ことはわかりました。「町長の指導を反故にする職員の振る舞い」は町長の指示によるものであると判断せざるを得ません。

私の判断が誤りと言う事ならば、村田町長は総括質疑前にお渡しした「町長の指導を反故にする職員の振る舞い」の具体的事例に対して懲戒処分を含むしかるべき対応をすべきです。

 「二宮町議会は適正に機能していない」 となれば、適正な決算審査など出来るわけがなく、これだけで反対理由として十分なのですが、将来の町のデザインを考えるうえで、重要な「役場新庁舎」と「小中一貫教育校」に関して、特に前者は、やはり議長の制止により十分な質疑が出来なかったのですが、この2点について訴えておきたい点もございますので令和3年度における課題・問題について触れたいと思います。

 役場新庁舎を巡ってはこれまで2度に渡って議会で否決されたにもかかわらず町民を相手にワークショップ等を開催しラディアン周辺への建設に固執する姿を批判してまいりましたが、令和3年度においてもこの方針に変わりはありません。こうした中で、今年8月に村田町長は自民党県議団 政務調査会 主催の「市町村からの予算要望ヒアリング」に参加、「令和5年度 国・県に対する要望事項」として「市町村役場機能緊急保全事業の再創設」を要望しています。当日示した資料の中には「二宮町役場新庁舎整備に関する主なできごと」として2度に渡る議会での否決と同列に、令和3年度中のワークショップ開催も記載しています。この要望に対し、自民党の森県議は非常に強い調子で否定的見解を述べていました。森県議の真意を確認するために直接問い合わせたところ、県議の考えは私と全く同じで、議会との足並みがそろっていない、として、「2度の否決を経てもまだわからないのか。と言っていました。」ワークショップ開催が2度に渡る否決を補うといった考えは全くないようです。二宮町の常識、世間の非常識ということが垣間見えました。

 小中一貫教育校を巡っては、令和4年4月に教育委員会議で議決した計画が、全く中身のないものであり、愕然とさせられました。何もしないと言っているのと同じです。そもそもこの問題の背景には、「一色小学校単級化」と「中一ギャップ」の問題があったのではないですか? 私のところに「中一ギャップを何とかしてくれ」や「役場新庁舎を作ってくれ」と言った窮状は全く伝わってきませんが、「一色小学校単級化」による弊害、それによる窮状は伝わってきています。なぜそれを放置するのか? 私の令和3年度総括質疑でもこの点を質しています。ただ、驚いたことに例えば小中学校間の教員派遣を巡っては、町長はこれに対応するために「非常勤を置く」と答弁しています。また、一色小児童が卒業後に2つの中学に分かれて進学する問題に関しては、選択可能にすることを含め改善させる旨の答弁がありました。更に公共施設再配置計画(短期)に記載されている学校数縮減にも取り組む旨の答弁がありました。信じられないほど気前よく応じて下さるのは有り難いのですが、これは即ち、令和4年4月の教育委員会議において議決された計画が問題が多いことをお認めになったことで、即ち令和3年度の検討が如何にずさんであったかを図らずも示す形になってしまいました。

 「役場新庁舎」「小中一貫教育校」何れもこの4年間、これと言った進展がありません。これらを象徴するような令和3年度決算です。「我々職員は、日ごろ町長から、議員のご質問に対して、その場のやり取りに終始するのではなく、その後ろにいらっしゃる町民の方々にもわかりやすく答弁するよう指導されています。」この令和元年9月定例会での答弁を中身あるものにすることが、第一歩ではないでしょうか。