○12月定例会の一般質問
今定例会の私の一般質問は「バリアフリー化による交通弱者対策」です。
取り急ぎ、質問の要旨のみお知らせします。
実は事前通告提出後に説明を分かりやすくする目的で、一般質問の際に使用するパワーポイントで用意した39枚の写真と地図を議会事務局に提出したところ、画像は5枚以内とのルールがあることを知らされ、急遽5枚だけ選ぶことになりました。テレビ中継されていた一般質問冒頭で、写真や地図を使用せずに口頭で説明するだけではうまく伝わらない部分があるかもしれない旨を説明しました。そして39枚全ての写真と地図を掲載した資料を近日中にブログにアップする旨をテレビカメラに向かって話しました。
この宣伝効果のおかげか、当日のアクセス数が急上昇。その期待に応えるためにも前述の写真と地図及び要旨を掲載させていただきます。
一般質問要旨
これまで主として自動車による交通弱者対策に取り組んでまいりましたが、「道路運送法の壁」並びに「民業圧迫への配慮」から、決定打は見つかっていないのはすでに述べたとおりです。
自動車によらない交通弱者対策に目を向け、現在普及しつつある電動アシスト自転車等(電動カート、電動車いすを含む)に対応するためのインフラ整備、主としてバリアフリー化の重要性について9月定例会において訴えました。
これに対し町役場の都市部より「調査研究していく」、健康福祉部からは「重要性は認識している」との答弁を得ています。なお、ここで言うバリアフリーとは電動アシスト自転車等の走行に支障をきたす凹凸等がない車道や歩道のことです。
要旨1.現在町が取り組んでいる交通弱者対策により二宮町地域公共交通計画に示すところの「交通空白不便地域」が解消され、町内全てが住み続けられる地域となるまでの具体的な展望を示していただきたい。
要旨2.これまでの交通弱者対策に対する町の施策は、自動車によるもの及び交通弱者にならないために健康増進を図ること(通いの場等)と承知しているが、他に新たな施策は実施しているか。
要旨3.電動アシスト自転車等は自動車によらない交通弱者対策の新たな選択肢と考えるが、インフラが未整備と考える。駅周辺に整備されているバリアフリー化された歩道が町内各所に行き渡ることにより、安心して電動アシスト自転車等に乗車できるようになり、住み続けられる地域が拡大すると考えるがいかがか?
要旨4.下記に示した買い物路設置(案)が実現し、更に町内に広がれば、高齢になっても住み続けられる地域が拡大すると思うが、役場側はどう考えるか。
要旨5.上記案実現を妨げるものは何か。
9月定例会で紹介した、仮称“買物路構想”は、「買い物」、「二宮駅へ出る事」、「通院」を前提に、高齢者が電動アシスト自転車等で安心して走行できるルートを確保することを目的として、以下の基準によって設置すべきと考えました。
・バス路線等の主だったルートの歩道をバリアフリー化し、買い物路に指定
・上記歩道の確保が困難な場合、交通量の少ない裏通りを買い物路に指定
そこで現状を把握するために、百合が丘1丁目在住の町民に電動アシスト自転車により、井上整形外科付近から西友経由で二宮駅に向かい、釜野経由で峠公園付近まで戻るルートを走行してもったうえで策定した、買い物路設置(案)を以下に示します。
今回ご協力いただいたのは百合が丘1丁目在住の新田積善氏。新田氏は日々地域活動に勤しまれ、ご高齢ながら専らご自身所有の電動アシスト自転車で町内を移動されていて、私自身も車を運転している時などにその様子を頻繁に目にします。ただ、車道を走行している様子は、自動車を運転している目線からすると、ヒヤヒヤしながらすれ違う、というのが正直な感想です。
70歳以上であれば自転車で歩道を通行することが道路交通法上認められていますが、新田氏が歩道走行を避ける理由は「走り難いから」に他ならず、買い物路策定にあたり、課題を明確にするには適任と考え、協力を依頼しました。
買い物路は町全体に張り巡らせるべきものですが、百合が丘在住の私が最も理解している地域から検証を始めてみました。
パワーポイントで作成した資料の写真と地図を参照してください。
今回検討したルートは私が住む百合が丘1丁目から二宮駅に向かうルートで、西友前を通るルートと釜野経由のルートがありますが、前者は商業地域を経由することから「二宮駅へ出る事」のみならず「買い物」の目的も果たせます。新田氏には可能な限り歩道を走行するようお願いしました。(1)
●先ずは新田氏ご自宅から西友ルートで二宮駅へ
○ご自宅(セブンイレブン百合が丘店付近)~西友(2):
西友に向かって右側の歩道を走ると対向車と相対すること並びに途中の店舗前の歩道などに物が置かれて通りにくいことを理由に道路左側の歩道を走行。車道から離れた側を走行すれば切下げの凹凸は気にならないが、人がいたりすると車道側を走行せざるを得ず、凹凸は避けられない(3)。
光が丘の出入り口(4)や中里歩道橋下の横断歩道(5)等、新たな工事個所は切り下げが滑らかになっていて、問題ない。⇒歩道のバリアフリー化が必要。切下げ箇所に関しては、縁石をそのままに、歩道の凹凸を滑らかにするだけでも有効と思われた。この場合、切下げ両サイドの縁石一部が歩道面から突き上がるあがる形状となる。
○西友~業務スーパー(6):
県道西側の歩道を走行。人通りが多いことから、切り下げによる凹凸が激しい車道側の走行は避けられない(7),(8)。⇒歩道のバリアフリー化が必要。
○業務スーパー~ラディアン前(9):
いわゆる旧県道を走行。全く問題なし(10)⇒買い物路指定
○ラディアン前~二宮駅付近(11):
いわゆる北口通商店街。段差という点では問題ないが、人通りが多く走行は困難(12)。⇒買い物路指定するとともにレーンの確保等の対応が必要。
●二宮駅から釜野経由で新田氏ご自宅へ
○二宮駅付近~マンションドリム湘南二宮(13):
二宮小学校南側を走行。バリアフリー化した歩道が完成している理想的な歩道(14)。
○ドリム湘南二宮~吾妻下橋付近(15):
歩道の形状が極めて悪く、普段は歩道を走行することはない。歩道が狭く切り下げによる凹凸があり、側溝蓋の上が歩道になっている箇所もある(16)。平坦な歩道が続く箇所もあるが、車道より高くて柵がある場合でないと危険を感じる(17)。
歩道の走行は困難であるが、迂回路がないので歩道のバリアフリー化が必要。
○吾妻下橋付近~ファミリーマート釜野店(18):
ここも普段は歩道を走行することはない。歩道は狭く切り下げによる凹凸があり、走行困難(19)⇒迂回路あり(20)。吾妻下橋へ左折(21)することで迂回し(22,23)、旧江川酒店(24)、運動入り口交差点(25)まで迂回。その後のファミリーマート釜野店へ向かう町道は交通量が多いが比較的広く状態のいい歩道が備わっているので(25)、この迂回路を買い物路指定する。
○ファミリーマート釜野店~百合が丘坂下(26):
ここも普段は歩道を走行することはない。歩道が狭く切り下げによる凹凸があり、走行困難(27,28)⇒迂回路あり(26)。⇒ファミリーマート釜野店から右折し(30)、百合が丘坂下付近に至る裏道(31,32)を買い物路指定する。
○百合が丘坂下~峠公園(33):
交通量が多い中で歩道はラインで区分けされているのみ(34)⇒迂回路あり(33)。⇒坂を少し上がった付近を左折し(36,37)再び峠公園付近で合流(38)するルート裏道を買い物路指定する。
最後の百合が丘坂下から峠公園に至るルートは上り坂で、私自身はママチャリの呼び名で知られる軽快車で新田氏の電動アシスト自転車に追いつこうとしましたが果たせず、電動アシスト自転車のパワーを実感することになりました。
峠公園付近で合流した後に新田氏に話を伺う際に私は息が上がっていましたが、新田氏は平然としておられました。
電動アシスト自転車が高齢者の移動手段として有効であることを再認識しましたが、改めて高齢者には歩道走行を促したいとともに、歩道のバリアフリー化を中心としたインフラ整備が喫緊の課題と思われます。
ご協力いただいた新田氏に改めて感謝いたします。(39)