毎年毎年、今年こそはブログをちゃんと書かねば、ねばねばと思いながら滞りがちなこのブログです。
というか、一度見失った道にまた戻るのはとても難しいのだと、そして年を追うごとにその道はとてつもなく遠く霞んでいくというのを実感していますよ。
それはそれで人間の成長とも言えるのでいいのですけれど、たまに自分の過去のブログを振り返り何を書いていたかと見てみるのですよ。そうすると意外と長文を書いていたりして、なるほど、と思う訳です。
いつのまにか短文のブログやレビュー的なブログが増えました。
またあの日のように、長文で書けるようになりたいと私は思うのですよ。
考えをまとめるのはとても自分にとっては大事な事ですし、整理になりますから。
それで、今日は先日のことを書きます。
先日といったって明確な、何日前とは書きませんけども。
それは久しぶりに青春を感じた時間でした。
賑わう渋谷の中にあって、その中でもひと際賑わっている中華料理屋に友人を誘って行ったのです。
私含めて三人でした。
二人とも長い付き合いという訳ではなく、知り合ってひと月ほど、という友人です。
誘ったのは私からで、一つの出来事をきっかけにして、この人たちと話してみたいと思ったのが、腰が重いで有名な私を突き動かしました。
ですが、誘ったはいいものの、店の予約はもちろんのこと、店までの道順も伝えてないという私の怠惰っぷり。当日よくお店に来てくれたなあと思ったものです。
私以外の二人は級友ということもあって駅で待ち合わせてから来るとのことでしたので、私は先に店に着いておりました。
店の扉を開けると、さすが週末、ドワーッと人の声が耳に押し寄せます。
よく行く店なのですが、週末に来たのは初めてで圧倒されました。
「三名です」
と伝えると店員さんが無言で二階を指差します。
二階の待ち合い席で待っていると二人が到着しました。
10分ほど席が空くのを待っている間は
(何を話そう)
(お酒が入ればたのしくなるはず)
(すごい人の量)
などと考えていました。
全力での人見知り発動です。誘ったのは私なんですけどね。
席が用意されたとのことで移動し、瓶ビールを2本頼みました。
それとお決まりのメニューを注文しました。
三人とも呑む人というのはわかっておりましたので、つまみだけです。
周りからすれば普通のお客なのでしょうが、当人たちは、はじめとてもいびつな三人だと思っていました。
長い歴史をもつ二人に、知り合ってひと月そこらの私が加わっている訳ですからね。
でも、ビールが紹興酒に変わった辺りで、私にとっては素晴らしい時間がやってきたのです。
友人の一人が紹興酒の入ったグラスを手に持ちある言葉を発したのです。
「健康と友情に」
これにピンと来た人はいますでしょうか。
私はいつか、この乾杯をしてみたいと思っておりました。
ですが、そう思っていたのはいつの頃だったか、すっかりと忘れ頭の片隅にも残っていませんでした。
気づかぬうちに、そんな日は来ないのだと思っていたのでしょうか。
それからはお互いの頭にある引き出しを酒場の勢いに任せてしっちゃかめっちゃかに開き倒しました。一つの話も終わらぬままに次の話へ、そしてその話も終わらぬままに、次の話へ。
同じものごとを知っていて、同じところに感銘を受けた人に出会うというのはありそうでなかなかないのであります。
何故ならばそれはその出来事に傾倒しているとアピールしないことだからです。
けれども、自然な流れでそのことがお互いの中でリンクするというのはとてつもない興奮をもたらしました。
久しぶりに味わった青春でした。
もう今はないあのぼた山に思いを馳せながら、私は一生一度の青春の門と向かい合った気になるのでした。
ではまた。
なにしまなにね