18歳の新聞配達奮闘記

18歳の新聞配達奮闘記

15年以上前、18歳の私が書いていた1年間の日記✏️上京、新聞配達、学校、ルームシェア。初めてのことばかりの毎日。あとから書き足した記事も一部あり。

20XX年5月21日 17:42

■最低、最高



今日の夕刊は最悪に濃い3時間だった。


朝の空は気持ちが悪かった。

5時というまだ早い時間に青空が見えていた。


そんな綺麗な空の下に

ものすごいスピードで流れる真っ黒な雨雲。

雨が降ったり止んだりでやりにくかった。



昼間にはすっかり雲は一つ残らず消え、

一週間ぶりの快晴だった。


もちろんあんな悲劇が

待っていようとは考えもせず。




いつものように夕刊の配達が始まった。

はじめはおかしいくらいに順調で、

雲ひとつない空に見惚れていた。


中間を過ぎた時だった。


いつの間にか真っ黒な雲が

侵食し始めている。


―――まずいなあ。

              これはザーザーくるかも。



マンション入れている間が気が気じゃない。


一瞬でも雨が降る瞬間に目を離したら

新聞が大変なことになるだろう。

そうわかるような空に変わっていた。



そしてついにポツポツと。

―――来た!



幸いにも次が屋根付きマンションの

ところで降ってきたので救われた。


だけど酷い。

通行人の傘はみんな変形し、

今にも飛ばされそうだ。

横吹きの雨はコンクリートを打ち付け

白い水飛沫が上がっている。 


とりあえず走って

入れられるところに入れよう!

と勇気を出して走った。


痛い!

強い雨が身体に打ち付けて

痛いのなんのって。



また屋根の下に戻り、

大人しく落ち着くのを待った。




次回につづく