明日10月22日は衆議院議員選挙の投票日です。

超大型台風が近づき、大荒れの天気が予想されるため

期日前投票を済まされた方も多数いらっしゃると思いますが、

保守系の活動家を自認されている方のSNSを見ていると、

政党よりも人で選んで投票しましょうと呼びかけている方がいた。

でも、果たしてそれは正解なのでしょうか・・・・・?

 

実は衆議院選挙は、参議院選挙と比較にならないほどの

政党重視の選挙制度です。

衆議院選挙の「小選挙区比例代表並立制」という制度は

参議院選挙の「地方区」と「比例代表区」と全く違います。

参議院の地方区の候補者と、比例代表区の候補者は別で

重複しての立候補はできません。

また比例代表区は個人名でも政党名でも投票が可能です。

しかし、明日行われる衆議院選挙は並立制で

「小選挙区」と「比例代表区」での重複立候補が可能です。

ただし、参議院の比例代表区は全国区なのに対し、

衆議院の比例代表区は11のブロックに分かれており

候補者は名簿登載順位があり、

有権者は政党名しか書けません。

例えば日本のこころから立候補しているのは

小選挙区にはいなく、比例代表区の

東北ブロックと東京ブロツクで1人ずつです。

他のブロツクにお住いの有権者が「日本のこころ」に投票しても

それは無効票となってしまいます。

また、この並立制での一番の特徴は

小選挙区と比例代表区の重複立候補者の多くは

名簿登載順位が同じであるということです。

小選挙区で落選した候補者が

比例代表区で復活当選するわけですが、

同じ順位の候補者の場合は

小選挙区での惜敗率が上位の者から順に

当選するというシステムです。

惜敗率というのは、例えばある小選挙区で当選した候補者の得票が10万票で、

落選した候補者の得票が9万票だった場合の惜敗率は90%になり、

別の選挙区で当選した候補者も10万票で、落選した候補者が8万票だったら

惜敗率が80%で、この落選した候補者が同じ政党で同じ順位の場合、

比例代表で政党が獲得した議席が1の場合、

惜敗率が上の90%の候補者が当選するというものです。

与党である自民党や野党第1党になる党は比例代表で獲得する票が多いので、

小選挙区で落選しても、比例代表で復活当選する候補者が多数出ます。

 

では、なぜ参議院選挙よりも衆議院選挙の方が政党選挙になるのかとなると、

衆議院選挙の比例代表は「政党名」しか書けないということもありますが、

小選挙区で落選した議員が復活当選するという制度だからです。

例えばある自民党を支持されている有権者の方がいるとします。

同じブロックの自民党の候補者の中には応援している候補者が何人かいるけれど、

自分の住んでいる小選挙区の自民党の公認候補が好きではない。

それよりも日本維新の会、あるいは希望の党から立候補している人の方が

はるかにましに思える。

だから比例は「自民」と書くけれど小選挙区は別の人に入れよう。

そう判断したとします。

そしてその結果、小選挙区でその好きでない自民党候補者が僅差で敗れてしまった。

しかも、自分が応援している何人かの同じブロツクの候補者も

みんな小選挙区で負けてしまった。

そして惜敗率の関係で、自分の嫌いな候補者が比例復活し、

自分が一番国政に送りたかった候補者が惜敗率で落選してしまった。

そんなことが起きるのが、小選挙区比例代表並立制の恐ろしいところです。

つまり、自分の応援している候補者が比例復活に回る可能性があるなら、

自分の小選挙区の同じ党の候補者が取りこぼすと、

比例復活で割りを食ってしまうということです。

そうなると、同じ党の候補者である以上は、好むと好まざるとに関わらず

小選挙区での当落は他の候補者にも影響が出るということです。

 

参議院選挙なら、好きでもない候補者よりも、人で選んで投票して良いのです。

しかし、衆議院選挙のような小選挙区比例代表並立制では

そんな簡単なわけにはいかないのです。

まあ、支持政党のない方や、弱小政党の支持者の方は、

こんなことで悩む必要はないのですがね・・・・・。