さて、日本の命運を賭けた衆議院選挙まであと6日。

既に期日前投票も済まされた方もいらっしゃると思うが、

今も尚、どの候補者に投票するかで悩んでいる

有権者の方々も沢山おられると思う。

自分の思想信条とピッタリ合致する政治家が

候補者の中に一人しかいないならスンナリ決まるが、

安倍自民・平沼たちあがれ日本の救国内閣を

期待していた人たちの中には、

石原・橋下が合体した日本維新の会によって

随分困惑されていらっしゃる方も多いようだ。


さて、衆議院選挙は有権者の投票によって

選出された地元の代表が代議士となって

国会に行って働いてくれるわけですが、

小選挙区比例代表並立制の面白いところは、

小選挙区で負けても、比例代表で

復活当選する可能性があることです。

それについての反対意見も多いわけですが、

誰に投票しようか決めかねている方々に

ちょっと発想の転換をしてもらいましょう。


現在、小選挙区で選ばれるのは300議席。

比例代表は180議席。

比例代表には単独候補もいるので、

もし単独候補が30人当選すれば、

小選挙区で敗れて復活できるのは、

300議席の半数の150になります。

地元選出の国会議員が

ほとんどの地域は1名なのに、

比例復活のおかげで2名、

あるいは3名を国会に送り出している

選挙区が実際にあります。


小選挙区比例代表並立制では

政党は小選挙区での候補者を

比例代表の名簿にも登載できる。

比例代表候補者には順位を付けることもできるが、

重複立候補者については同順位とすることもできる。

同順位とした場合、実際の順位は

小選挙区における惜敗率によって決定される。

重複立候補した議員が小選挙区で当選した場合、

比例代表名簿から除外されるが、

小選挙区で落選した場合、

比例代表での名簿順位により

復活当選の可能性がある。


例えば、ある選挙区で


A候補(B党) 100,000票(当選)

C候補(D党)  99,980票

E候補(F党)   99,960票

G候補(H党)  99,940票

I候補(J党)   99,920票


と、5人の候補者が大激戦を展開し、

C、E、G、I候補がそれぞれ

D党、F党、H党、J党の比例名簿に

1位で搭載されているとしたら、

この4人は全員が惜敗率99.9%なので

間違いなく比例復活で当選します。

つまり一つの小選挙区から

こうやって5人の国会議員を送り出す事も

理論的には可能なわけです。


政党政治だから仕方ないといえばそれまでですが、

これを党派に関係なく、自分の地域から見ると、

半数の地域からは1人の代議士しか出せてないのに、

自分の住む地域からは5人も代議士を出せている。

1票の格差が2倍とかどころの話ではありません。

誰に投票しようか決めかねているのなら、

現在の自分の住む選挙区の動向を見て、

代議士を一人しか出せない状況か

二人、あるいは三人出せる状況にあるかを

考えてみるのも面白いかもしれません。


例えば大阪14区。

前回は民主党の長尾たかし氏が小選挙区を制し、

次点の谷畑孝氏が比例で復活当選を果たしました。

つまり大阪14区は2人の代議士を国会に送っています。

今回の選挙では谷畑氏が自民を離党し、日本維新の会。

長尾たかし氏が民主党を離党し、無所属で自民党推薦。

谷畑氏は日本維新の会の比例重複で名簿3位ですが、

長尾氏は無所属のため、比例復活はありません。

民主党からは別の新人が出ていますが、

所詮は落下傘候補であり、

地元に根ざした人物ではありません。

大阪14区は谷畑氏が維新の公認候補である分、

自民推薦の無所属・長尾氏より一歩リードしていると

言われています。

ただ、谷畑氏がこの小選挙区を制したとき、

長尾氏には比例復活はありませんので、

大阪14区の選出議員は2名から1名になってしまいます。

つまり、国政に届く地元の声が半分になるということです。

それならば、小選挙区で長尾氏に投票し、

比例区に日本維新の会と書いて、

激戦を制して長尾氏に勝ってもらい、

高い惜敗率で谷畑氏が次点で比例復活してくれたら、

国会に届く、地元の声は減らないということになります。

これはあくまで具体的な一例であり、

こうしろとは言いませんが、

政治に興味のない若い人たちが多数おり、

本当に日本をよくしたくて、

自分達の声を少しでも国に届けたいと思うなら、

こういうふうな発想の転換をして

投票するのもありだと思いますが、いかがでしょう?

私はやりませんが(笑)