1月14日から始まった大学入試センター試験の
日本史Bに不適切な問題が出ていた。
問題は第6問の問5、33番の問題である。
下線部d(戦争が長期化して労働力不足が深刻化した結果、
戦争末期には、女性も生産を担うための、より直接的な
戦時動員の対象となっていった)に関連して、
戦争末期の労働力動員の状況に関して述べた
次の文a~dについて、正しいものの組合せを、
下の①~④のうちから選べ。
a.食糧増産を目的にして沖縄ではひめゆり(学徒)隊が
結成された。
b.勤労動員された学生や生徒らが、兵器などの軍需品の
生産に従事した。
c.日本本土に連れてこられ、鉱山などで働かされた
朝鮮人中国人もいた。
d.女性を看護要員として召集するために、女子挺身隊が
編成された。
① a,c ② a,d ③ b,c ④b,d
さて、aについて、沖縄のひめゆり学徒隊は食糧増産のために
結成されたのではなく、従軍看護婦としてであるから違う。
bについては事実であるから○である。
cについては昭和34年の『外務省発表集第10号』という
資料が、自民党の高市早苗、山谷えりこ両議員の
国会質問等により示され、
連れてこられて働かされたというような強制連行はなく
軍事徴用であったとの結論に達しているので、これも違う。
dについても、看護要員として召集するための女子挺身隊では
なかったので、これも違う。
つまり正しいのはbしかないので
①~④に該当する正解はない。
ところがなんと正解は③のb,cというのだ。
このセンター試験を作った大学教授は
反日イデオロギー、侵略戦争史観の持ち主なのであろう。
しかし、少なくとも現時点では外務省の見解としては
強制連行は明確に否定しているのである。
「連れてこられる」というような、強制連行があったように
認めさせる出題は、不適切という他はないのである。