昨日に引き続き、防衛大学校の夏季定期訓練の

第3学年、第4学年の内容を紹介する。


第3学年の陸上要員は

師団・旅団実習(6個師団・1個旅団)及び

連隊実習(16個連隊)に分かれて

部隊訓練、営内生活の体験及び

司令部・後方職種の研修を行う。


息子が第3学年だった2年前は

希望する部隊での部隊実習だったが、

厳しい第3師団の方に志願して行ったようだ。


海上要員は先ず校内で海技基礎訓練として

信号受信能力向上を図る半分演習を行い、

次にクルーザー巡行で、シーマンシップ、

慣海性の涵養を図る。

それから航空部隊実習(年度によって違うが、

鹿屋、八戸、那覇、岩国、下総基地にて)、

及び乗艦実習・地方隊研修(同じく

佐世保、呉、舞鶴、大湊、横須賀基地にて)を行う。


航空要員は航空団実習(これも年度によって違うが

千歳、三沢、小松、百里、築城、新田原、那覇基地にて)

救難実習(同じく小松、築城、新田原、芦屋、那覇基地にて)

戦闘機を擁し、空自戦力の中核ともいえる航空団の機能

及びそこで勤務する隊員の状況を学び取る。

もちろん戦闘機への搭乗訓練も実施され、

特殊かつ過酷なパイロットへの道のスタートを切る。


第4学年の陸上要員は

北海道大演習場において4週間、

戦闘訓練及び野外勤務総合訓練を行い、

陸上戦闘の基礎的技能を総合的に演習する。

特に「101km徒歩行進に引き続く陣地攻撃」においては

ほぼ全員が行進を完遂し、事後目標を奪取する。

11月の防大伝統行事の東京行進(靖国行進)は

防衛大学校から靖国神社まで夜通し歩くというものだが、

この101km徒歩行進に引き続く陣地攻撃訓練を

経験している陸上要員の学生は落伍することはない。


海上要員は校内で海技基礎訓練を行う。

MAT(航海シミュレーター)を活用した操艦訓練を通して

操艦における処置判断の知識・技能を向上させるとともに、

艦橋におけるチームワークの必要性を認識させる。

機動艦巡航は三崎基地など

乗艦実習は第1、第3、第4護衛艦隊群

部隊研修は横須賀、船越基地などで行われる。


航空要員は小型機搭乗訓練(静浜、防府基地など)

警戒管制部隊実習(入間、三沢、大湊、峰岡山、

春日、背振山、那覇、与座岳基地など)

空自戦力発揮の中枢神経ともいうべき

警戒管制組織の役割と重要性を知り、

これまでの部隊研修・実習で学んだ

全ての戦力組織がいかにして結びついているかを学ぶ。