今日、防衛大学校のHPhttp://www.mod.go.jp/nda/

菅内閣総理大臣訓示、北沢防衛大臣訓示、

五百旗頭校長の式辞がアップされた。


今回、防衛大学校卒業式が実施されたことについて

自粛すべきではないかという意見が少なからずあった。

防衛大学校HPの校長の式辞からは割愛されていたが、

実際には校長はそのことについて触れていた。


ご存知の方もおられると思うが

五百旗頭氏は防衛大学校長になる前は

神戸大学の教授で、16年前の1月17日、

阪神・淡路大震災を経験している。

今般の東北地方太平洋沖地震の犠牲者の

大半は津波によるものと考えられるが

阪神・淡路大震災の犠牲者の80%は

木造家屋の倒壊による即死だった。

木造アパートに下宿していた学生が多数犠牲になり

神戸大学だけで学生39名が犠牲になっている。

39名の学生には、3月に卒業予定だった6名がおり

その中の一人が五百旗頭ゼミの学生だった。

16年前の神戸大学でも卒業式中止が検討されたが、

こういう時だからこそ、卒業式を実施すべきだ」として

犠牲になった学生の遺族の方(お父さん)が

卒業式に出席して、卒業証書を受け取ったのだ。

このことは地元でもニュースになったから、

阪神・淡路大震災の被災者である我々も

よく覚えている。

今回の防衛大学校の卒業式の実施は

五百旗頭校長だからこその決断だったと思う。

当然、賛否両論はあるだろうが、

こればかりはどちらが正しいとは言えない。

大事なのは卒業していく学生が何を心に刻み

これからの人生に活かしていくかなのだ。



菅首相が防衛大学校の卒業式で訓示したことが

テレビなどのニュースで流れた。

私は菅直人が総理になったときから、

「国歌斉唱するのか?」等、批判を繰り返してきた。

私のホンネを言わせてもらえば

在日外国人から違法献金を受け取っていた以上、

菅直人は総理大臣を辞任すべきであり、

公民権停止だと思っている。

防衛大学校の卒業生に訓示する資格などない!」

それが私の本心だったが、

しかし、卒業式当日も菅直人は総理のままだった。


卒業式から戻ってきて、ブログを読んでいると

菅総理が防衛大学校卒業式に出席したことを

批判する記事をいくつか目にした。

自民党の元国会議員から主婦まで。

しかし、私はこの批判には異論がある。

菅直人には総理としての資質などないと思うが

防衛大学校卒業式には、

総理大臣の出席は当然。

むしろ絶対に出席すべきだというのが私の考えだ。

菅総理の防衛大学校出席を批判する視点は

「こんな非常時に首相官邸を留守にすべきでない」

「福島に陣頭指揮に行け」

「卒業式を自粛している大学があるのに、

防衛大学校なんかの卒業式にのこのこと…」

といったものだった。


では、私の意見はというと、

卒業式を自粛している大学があるのにというが、

防衛大学校と一般大学とを同列に論じるのは

間違いだと思っている。

日本の防衛大学校にあたる各国の士官学校の場合、

国家元首が出席して演説をする。

先日もアメリカの陸軍士官学校の卒業式では

オバマ大統領が出席して演説している。

イギリスの場合はエリザベス女王ご夫妻、

チャールズ皇太子のご臨席を仰ぐ。

エリザベス女王が体調を崩されたときは

ご名代としてアン王女がご臨席された。

日本で、これがもし戦前だったら

天皇陛下のご臨席を仰ぐことになるのであろうが、

自衛隊の最高指揮官は現在は総理大臣である。

文部科学省の管轄下にある大学と、

特別国家公務員である防衛大学校とは違う。

自衛隊は本当なら名誉ある国家の軍隊であり、

防衛大学校はその幹部を送り出す特別組織なのだ。

防衛大学校「なんか」の卒業式に「のこのこ」と

という言葉が出るのは、平和ボケした日本人

自衛隊や防衛大学校を見下している証拠だ。

防衛大学校の卒業式は単なる卒業式ではない。

昨日のブログでも紹介したとおり、

陸海空の曹長に任命される幹部自衛官の

宣誓式でもあり、総理大臣は最高指揮官として

この儀式に臨まねばならないのだ。

今般の東北地方太平洋沖大地震で

自衛隊の救助活動、命がけの放水活動を

評価する声は多いが、その程度の理解しかないのだ。

自民党の元議員などは防衛大臣で事足りると

ブログに書いていた。「何も分かってない!」

こんな認識を持ってるようなやつなら、

自民党だろうと、民主党と大差はない。


私は自衛隊を国軍にすべきだと思っているし、

国軍である以上は天皇の軍隊であり

天皇に栄誉大権があるからこそ

自衛隊は名誉ある国軍たりえるのだと思う。

今のままでは自衛隊は永久に私生児のままだ。

菅直人が総理大臣として防衛大学校の卒業式に

来たことには忸怩たる思いがあるが、

出席したことを批判する論調は

自衛隊軽視、防衛大学校軽視以外の何物でもなく、

私は断固否定するものである。