26歳借金約1億円、カジュアルオーベルジュを始めてみた話

26歳借金約1億円、カジュアルオーベルジュを始めてみた話

〜消滅可能性都市からの脱却を目指す若者の話〜

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こんにちはマツキです。

 

本日は、資金調達のお話。

物件のあたりをつけた僕、

次にやらないといけないのが、

資金調達です。

 

資金の主な使い道は建物のリフォーム費用です。

僕が目をつけた物件は、

3年ほど前に廃業した海辺の民宿で、

延べ床面積が140坪程度の小さな(5部屋くらい)建物です。

 

なので、そこまで手をかけなければ、

リフォームにお金はかかりません。

しかし、僕は鉄骨と屋根だけを残して

全面リフォームを行うことにしました。

 

これが後々、大きなパンチを放ってくることになるのですが、

当時の僕は「この町の魅力を伝えるにはこの設計しかない!」と

後先考えずにやってしまっておりました。

 

 

それで、建築屋さんや設計士さんと話を進めていく中で、

リフォーム費用は5,000万円ほどになるだろう、

との結論が出ました。

 

そこで僕は急いで氷見市内の金融機関を回ることにしました。

もちろん事業計画書を持って向かうのですが、

服装がまずかったかもしれません。

その時の僕の一張羅は”デニム生地の紺色のつなぎ”でした。

 

その格好のまま、銀行に乗り込んで窓口で5,000万円貸して欲しいと言ってみました。

すると、銀行の法人窓口の方が

「うちはそういうのやってませんので。。。」

 

ん???

 

あれ、銀行ってお金貸してくれるところじゃなかったっけ???

 

僕は僕なりにそれはまぁそれなりの事業計画書を作って持っていったつもりでした。

コンセプトとか収支計画とか集客戦略とか、ある程度は考えていたつもりでしたが、

表紙すらめくってくれません!

挙げ句の果てには、

「うちはそういうのやってませんので。。。」

職務放棄してますやん!絶対見た目だけで判断してるやん!

 

と思いながら、トボトボと帰ったことを今でもしっかり覚えています。

 

とはいえ、捨てる神あれば拾う神あり、です。

 

 

全部で6行ほど回ってみたところ、

1行だけ話を聞いてくれるところがありました。

本当に銀行によって対応が全然違うのだなと感じました。

 

最終的にはその銀行さんから融資を受けることになるのですが、

もしあの時あの担当さんが話を聞いてくれなかったら今のお店がなかったと思うので、

非常に感謝してます。

 

 

ということで、タイトルの検証結果は、こちら!

【つなぎ姿で26歳の若者が銀行に5,000万円貸してくれと言ったら、

職務放棄されることもあるが貸してくれることもあるよ!】

でした。

 

 

いや〜何事もやってみなければ分からんですね!

 

今回はこの辺でお休みなさい。

 

 

次回は、

「5,000万円で足りるんじゃなかったの!?どうしよ・・・」

をお送りいたします。

 

 

 

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このブログを書いている人が運営するカジュアルオーベルジュはこちら↓

移り住みたくなる宿『イミグレ』

https://www.imigre.jp

 

どうも、

富山県氷見市の海辺でカジュアルなオーベルジュを経営しているマツキです。

 

前回のプロフィールで綴った通り、

勢いとノリと夢見がちな気持ちで大阪のそこそこ大きな会社を退職して、

地元に戻り宿泊施設を作ることを決意した僕。

 

【27歳独身男、借金約1億円、それが僕のプロフィール】備忘録#1

 

 

そんなこんなで会社を辞めることは決まったのですが、

ここでふと冷静になります。

 

「あれ?宿ってそんな簡単に始められるんだっけ??(-。-;」

 

 

そうです、辞めると決めたのは良いのですが、

始める準備というか、そもそも宿を始める時に

何をしなければいけないか分かりません。

 

 

一応前職時代、観光業界のコンサルティングに携わらせて頂いておりましたが、

いや、宿の立ち上げに携わったことなどありません。

 

「あれ?これ完全に見切り発車だなぁ・・・(・・;)」

 

と思いそうな自分を、品川駅の車掌さんよろしく

心の底に必死に押し込んで、

なんとかなるさと笑ってみた2018年10月某日未明の淀屋橋。

 

 

とまぁ、そんな感じで始まった宿づくりへの道ですが、

毎日毎日、毎秒毎秒、そのことばかり考えていると

何をしないといけないかは分かってくるわけで、

(※それを分かってる上でスタートするのが正解だと思います。)

宿をオープンするためにやらなければいけないことは大きく3つのようです。

 

①物件探し(土地探し)

②資金調達

③料理人探し(従業員探し)

 

料理人に関しては、あまり重要じゃない業態もありますが、

僕はオーベルジュ(泊まれるレストラン)って言ってるので、

バリバリ一流の料理人の仲間を見つけることを目指します。

 

ちなみに、退職を伝えた時点で完了できていることは

もちろんゼロです。

 

物件に思い当たるものはあったものの、

もちろん使えると決まっていたわけでもありません。

通帳を覗いてみればそこには、頑張って6桁になった数字が並んでいます。

料理人のアテなどあるわけもなく。。。

 

 

さて、

物なし、金なし、コネなしの無双状態の僕が

まず一番最初に行ったことは。

”大きな声を上げる”

でした。

 

物理的にということではなく、

「地元の人口減少を止めるために宿を作る!」

と会う人会う人に言いまくったのである。

ほぼ毎日誰かに理由などを説明していたので、

その間に構想もブラッシュアップしていったように思います。

 

あ、そうそう、僕の座右の銘は

「他力本願」です。

 

この時も、僕は物も金もコネも無いけれども、

誰か助けてくれる人はいるだろうと楽観的に考えていたのです。

でも待ってるだけじゃ助けてもらえないので、

”大声を上げた”のです。

僕はこれに人生(とりあえず向こう20年くらい)をかける!と。

 

そしたら、結構みんな応援してくれたり助けてくれたりしました。

料理人の方なんかは僕の信頼する方からの紹介で決まりました。

 

詳細はどこかで後述しますが、

この半年後くらいにクラウドファンディングで多くの方から総額350万円ほど

支援をいただいたのです。

その際に前職の同グループの上司先輩同期後輩の

ほとんどが協力してくれました。

ちょっぴり泣きました。優しい人が多いよ、世の中。

 

 

ということで、僕の経営者1年目の一番大きな学びは、

「本気で動けば、応援してくれる人は結構いるかもよ!」でした。

 

 

ただ、熱意だけではどうにもならないこともある。

その1つが「資金調達」である。

最終的には地元金融機関から7,000万円ほど融資を受けるのだが、

運が良かっただけだと今でも思う。。。

 

 

|続く|

 

 

次回は

「半袖短パンで銀行に5,000万貸してくださいって言ってみたよ」

をお送りします。

 

 

 

 

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移り住みたくなる宿『イミグレ』公式HP

https://www.imigre.jp

 

 

富山県氷見市の海沿いでカジュアルオーベルジュを運営しているマツキです。

↑客室の一部(全客室オーシャンビューです)

 

富山県氷見市は人口約48,000人の港町です。

”氷見の寒ブリ”と言うと、何人かに一人くらいは知ってる方がいるかもしれません。

 

 

そんな土地で2018年より廃業した民宿をフルリノベーションして

カジュアルなオーベルジュを運営してます。

開業時に必要な経費として、

金融機関からの融資約8,500万円、プライベートな借入約1,500万円、

トータルで約1億円の借入を抱えてスタートしております。

これがこのブログのタイトルです。

 

現在、27歳の独身男性です。

 

プロフィールはこんなところです。

 

 

せっかく、人生かけて勝負をしているので

何年後かに振り返ることができる様なものがあれば良いなと思い、

このブログで備忘録的に綴っていこうと、始めてみました。

 

全日本国民を知っているわけでは無いですが、

たぶんある意味で珍しいケース(アセットを抱えるという点で)の人生だと思いますので、

そんな男の備忘録的日記を楽しんでくれる方がいたら嬉しいなとも思ってます。

 

 

本日は、僕が起業に至った経緯を。

2017年12月、新卒から3年9ヶ月勤めた東証一部上場のコンサルティング会社を退職し、

生まれ故郷である富山県氷見市に戻り起業。

 

当時26歳だった僕は、仕事にも少しづつ慣れてきて、

お客さんの役に立つ仕事も少しだけではあるができる様になってきていた。

そんな中で、中学生の頃からいつも頭の片隅で考えていた、

「何のために生きているんだろう?」と言う中二病満載な疑問が

日毎に大きくなっていくのを感じていました。

 

ある上司曰く、「何かに熱中していないからそんなことが気になるんだ」とのこと。

確かにその通りかもしれないなと。

またある上司曰く、「自分に軸が無いからだ」と。

これまた確かにそうかもな、と。

 

これまで何度もそういったことを考えるタイミングはあったのですが、

何故かこの夜だけは、「決めよう」と思ってしまったのです。

”どう生きるか”を、です。

 

おそらく数週間前に読んだ「君たちはどう生きるか」という本に影響されていたことと、

夜中で思考回路がゆるゆるになってしまっていたことが原因だと思いますが、

何れにせよ、どう生きるかをその夜に決めたのです。

 

決めた内容はすごくシンプルで、

「自分が心から熱中できることで、周りに応援される様なことをやる」

そんな人生を生きよう、ということだけです。

 

おそらく他にも様々な考え事をしたのでしょうか、

覚えているのはそのくらいです。

 

それで、その時、心から熱中できそうだと思ったのが、

「消滅可能性都市への反抗」でした。

 

世の中には「消滅可能性都市」なるものがあるそうです。

僕のざっくりとした認識では、人口減少が進み

行政機能を保持できなくなる可能性のある市町村のことを指す様です。

 

全国の約半数の市町村が挙げられている様ですが、

僕の地元の富山県氷見市も漏れなく該当。

 

これってすごく腹が立つというか、

ムカつきませんか??

 

だって、どこぞの誰か分からない人に、

「お前の町はもう終わりだ」ってダメダメレッテルを貼られてる様なものですよ。。。

僕は大阪に出て8年ぐらい経ってましたし、地元にもあんまり帰ってなかったですが、

地元は大好きでした。

雛鳥が初めて見るものを親と思ってついていくのと同じ感覚で、

生まれて18年も過ごした場所が自分にとって

かけがえのない場所になるのは当然とさえ感じています。

 

そんな大好きな場所が「オワッテル」って言われたら誰でも反抗したくなりません??

僕はなります。そうです、この時には確信しました「僕はまだまだ中二病真っ只中」だと。

 

特に誰かを攻撃する意図はもちろんありませんが、

この人口減少に歯止めをかける取り組みは、

僕にとっては心から熱中出来そうだと思いましたし、

周りの人も応援してくれるんじゃないかなと思いました。

 

 

ですので、この時点でテーマ(軸)を決定→「消滅からの脱却」

次は、反抗するために何をするか、ということですが、

人口減少が問題ならば、人口を増やす取り組みをしよう!

と単純に考えました。

もう少し、賢く生まれたかったです。。。

 

それで、出生率向上、死亡率低下、流入数増加、流出数減少など

人口増やすためには色々やり方はあるだろうなと思っていたのですが、

消去法で「流入数増加」に取り組もうと決めました。

 

小難しく考えていた訳では勿論なく、

出生率向上って言った瞬間に「じゃあまずはお前が結婚して子供作りなさい」って怒られそうでしたし、

死亡率低下って専門領域が過ぎる様な気がしたし、

流出数低下って「出て行きたいやつは出て行った方が良い」とそもそも思ってますし、

という感じで流入数増加、即ち移住者を増やす取り組みをしようと決めました。

 

流入数増加のポイントはこの町の魅力(定性的な点も定量的な点も含めて)を伝えることだろうなと思ったのと、

単純にそれを仕事にするのは面白そうだなと思ったのが決めてです。

 

 

で、移住者増やすってなった時に、小難しいこと考えてたら何も出来ないと思い、

すごく簡略化して、「氷見の魅力を外の方に伝えることで利益を生み出す商売をしよう」と。

そこにピタッとはまったのが「宿泊業」でした。

 

 

ここまでがざっくりと起業に至った経緯です。

順序や詳細はこの時にはまだまだまとまってなかったと思いますが、

こんな感じでした。

これをその夜に決めて、

次の日の朝、部長に退職を告げました。

 

という流れで起業するに至ったのですが、

ここからが面白いネタの連続で、

・借金総額は最初の想定の2倍になった話

・地方都市の店舗では死活の駐車場問題

・急遽グランドオープンを2ヶ月延期した話

・グランドオープン1ヶ月で料理長戦線離脱問題

・オープン3ヶ月でキャッシュアウトしちゃった話

・3ヶ月で3人中2人の従業員をやめさせる経営者失格の男の話

など、僕的には勉強にもネタにもなる面白い体験を日々できています。

 

 

そんな内容を今後、僕の心情も交えて備忘録的に綴っていきます。

 

ここに、書いてるってことは人に見られたいってことですので

ぜひ読んでもらえたら嬉しいです。

 

 

では、本日はこの辺で。

 

 

 

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