夕食を食べ終えた後に、調子を崩してしまった。
最初に、薬を飲みたくなってしまった。
少し考えて、持っていた薬を全部トイレに流した。
(もったいないな。)
(これがないと眠れないかもしれないのに。)
ぼんやり考えていた。
明日、ワークの人に電話して、薬飲みたくなっちゃってトイレに捨てたんですけどって相談しようかな。
なんて言われるかな。
何かあったの?って心配してくれるかな。
なんてことしてるのって呆れられちゃうかな。
先生、薬また処方してくれるかな。
わたしみたいな患者には、もう薬くれないかな。
でも、そうなったとしてもいいのかもしれない。
わたしが薬を持っていると、危ない気がする。
自室のベッドの上で意味もなく携帯を眺めた。
特に理由もなくインスタをひらく。
飛び込んでくる、元同級生たちのきらきらした投稿写真。
(この子写真撮るの上手いな。わたしも頑張ってるのにな。やっぱりちゃんとしたカメラで撮ると違うのかな。)
(この子、見違えるほど綺麗になったな。同い年だと思えないくらい。でもみんなすごく綺麗になってるから、わたしが遅れをとってるんだろうな。)
この服、いいな。わたしも服買いたいな。
この子の髪の毛可愛い。わたしも染めたいな。髪の毛巻くコテあったらいろいろ試せそうなんだけどな。
お洒落なお店でご飯食べてる。いいな。わたしもお金があったら、こういうお店で友達とご飯食べたり出来るのかな。
歯並びが綺麗な人って笑顔も決まるから羨ましいな。矯正したいな。お金、ないな。でも気長に貯金していけばいつか出来るかな。でもその頃にはわたし何歳になってるんだろう。
集合写真ばっかりだ。交友関係広そうだもんな、あの子。いいな、青春って感じ。羨ましいな。
わたしはどうやったらみんなみたいに素敵な人になれるのかな。
わたしはどうしてみんなみたいに素敵な人になれなかったんだろう。
これからどうしていけば変われるのかな。
そっと左手首に爪をたてて上下に動かしていく。
少しずつ少しずつ、皮が剥がれ、肉が削られていく。
(今日はまだ冷静な方だから、大した傷にはならないかもしれない。)
傷が出来ることに安心する自分と、自傷を繰り返してしまったことに落胆する自分。
また、やってしまった。素敵な人に憧れるのなら、わたしはこれ以上、自傷行為を繰り返すべきではない。
「おてて引っ掻いちゃだめでしょ!」
6月に自傷をしてしまった時、ツイッターを見てくれていた専門学校時代のクラスメイトがそう言って叱ってくれた。
やめられなくてごめん。
自傷を繰り返せば繰り返すほど、周りから人は減っていくと思う。
同じ理由で、リア友にも公開しているツイッターで病みツイートを繰り返すこともやめた方がいいのだと思う。
やめたいのにな...。
気がついたら目から涙が流れていた。
昨日も泣いたのにな。
わたしは一体いつまでこのままでいるんだろう。
よく考えもしないまま、部屋にあった工作用のはさみを右手に持った。
ザク、と、シンプルな音をたてて、ハサミの刃はわたしの髪の毛の束を簡単に切断した。
自由になった髪の毛の束をそっと床に置く。
(髪の毛切るのって気持ちいいんだな。)
その後、ザク、ザク、と、無心で切断を繰り返した。
こんなに簡単に、あっけなく、切れてしまうんだ。
はは、不細工だな。
微量の皮と、切り落とされた髪の毛の分だけ軽くなった身体と、いくらか削られた心を抱えて、ベッドにダイブした。
もしも今、手元に薬があったら間違いなく飲んでいただろうなと思った。
(薬、捨てておいてよかった。)
唯一、よかったと思えることだった。
最初に、薬を飲みたくなってしまった。
少し考えて、持っていた薬を全部トイレに流した。
(もったいないな。)
(これがないと眠れないかもしれないのに。)
ぼんやり考えていた。
明日、ワークの人に電話して、薬飲みたくなっちゃってトイレに捨てたんですけどって相談しようかな。
なんて言われるかな。
何かあったの?って心配してくれるかな。
なんてことしてるのって呆れられちゃうかな。
先生、薬また処方してくれるかな。
わたしみたいな患者には、もう薬くれないかな。
でも、そうなったとしてもいいのかもしれない。
わたしが薬を持っていると、危ない気がする。
自室のベッドの上で意味もなく携帯を眺めた。
特に理由もなくインスタをひらく。
飛び込んでくる、元同級生たちのきらきらした投稿写真。
(この子写真撮るの上手いな。わたしも頑張ってるのにな。やっぱりちゃんとしたカメラで撮ると違うのかな。)
(この子、見違えるほど綺麗になったな。同い年だと思えないくらい。でもみんなすごく綺麗になってるから、わたしが遅れをとってるんだろうな。)
この服、いいな。わたしも服買いたいな。
この子の髪の毛可愛い。わたしも染めたいな。髪の毛巻くコテあったらいろいろ試せそうなんだけどな。
お洒落なお店でご飯食べてる。いいな。わたしもお金があったら、こういうお店で友達とご飯食べたり出来るのかな。
歯並びが綺麗な人って笑顔も決まるから羨ましいな。矯正したいな。お金、ないな。でも気長に貯金していけばいつか出来るかな。でもその頃にはわたし何歳になってるんだろう。
集合写真ばっかりだ。交友関係広そうだもんな、あの子。いいな、青春って感じ。羨ましいな。
わたしはどうやったらみんなみたいに素敵な人になれるのかな。
わたしはどうしてみんなみたいに素敵な人になれなかったんだろう。
これからどうしていけば変われるのかな。
そっと左手首に爪をたてて上下に動かしていく。
少しずつ少しずつ、皮が剥がれ、肉が削られていく。
(今日はまだ冷静な方だから、大した傷にはならないかもしれない。)
傷が出来ることに安心する自分と、自傷を繰り返してしまったことに落胆する自分。
また、やってしまった。素敵な人に憧れるのなら、わたしはこれ以上、自傷行為を繰り返すべきではない。
「おてて引っ掻いちゃだめでしょ!」
6月に自傷をしてしまった時、ツイッターを見てくれていた専門学校時代のクラスメイトがそう言って叱ってくれた。
やめられなくてごめん。
自傷を繰り返せば繰り返すほど、周りから人は減っていくと思う。
同じ理由で、リア友にも公開しているツイッターで病みツイートを繰り返すこともやめた方がいいのだと思う。
やめたいのにな...。
気がついたら目から涙が流れていた。
昨日も泣いたのにな。
わたしは一体いつまでこのままでいるんだろう。
よく考えもしないまま、部屋にあった工作用のはさみを右手に持った。
ザク、と、シンプルな音をたてて、ハサミの刃はわたしの髪の毛の束を簡単に切断した。
自由になった髪の毛の束をそっと床に置く。
(髪の毛切るのって気持ちいいんだな。)
その後、ザク、ザク、と、無心で切断を繰り返した。
こんなに簡単に、あっけなく、切れてしまうんだ。
はは、不細工だな。
微量の皮と、切り落とされた髪の毛の分だけ軽くなった身体と、いくらか削られた心を抱えて、ベッドにダイブした。
もしも今、手元に薬があったら間違いなく飲んでいただろうなと思った。
(薬、捨てておいてよかった。)
唯一、よかったと思えることだった。