いきなりどんな話題と思われた方すいません。m(_ _ )m



最近以下の本を読み、ちょっと興味を持ったので紹介いたします。

こんな裁判ありなのか?と本当に驚愕すべきものです。


公認会計士vs特捜検察/細野 祐二
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カネボウやキャッツ等の粉飾決算事件は、ほんの少し前大分話題にあがりましたが、キャッツの経営アドヴァイザーをしていた公認会計士の方が書いている本です。



著者は同社の粉飾決算に共謀加担したものとみなされ、一審、控訴裁共に有罪判決となり、現在最高裁に対して上告中です。



当然私も本を読む前であれば、事実関係等興味もなく、負けているのだから当然、著者は有罪なんだろうなと司法の判断を特に疑いもなく信じていたと思います。



社会保険庁が不祥事を起こして問題になったと聞くことはあっても、実態を見据えていた経緯がなかったように、司法の安定と官僚の無謬神話が、澱のようにたまって司法の闇となっていることがはっきりと分かります。



法律は一歩間違えると人生をだめにしてしまう。

お国には勝てない。

日本の警察権力は恐ろしく強い。



なんとなく日常でも触れたことのあるような言い回しにひそむ、どうしようもないほどの権力の押し通しが見て取れます。



普通でしたら、絶対にあきらめます。

日本の一審での起訴有罪率は99.9%だそうです。

控訴審でも逆転有罪の数が無罪を圧倒的に凌駕し、最高裁の上告は棄却されるのが通常です。

(最高裁事由にあたることが難しいため)



真実は一つであって何があったのかは証拠をもとに追っていけば調べられます。

しかし、この件に関しては著者が提出した証拠資料が全て事実として裁判上認められていても、有罪となっております。



少なくとも、この結果は司法に関係ない人達でも注目に値する、すべきものだと思います。



国民の司法に対する信頼を集めるという名目のもと、裁判員制度が実施されますが、日本の裁判員制度は欧米のと比べてほぼ意味がないように見受けられます。参照



過去日本でも陪審制度で裁かれていたことが1928~1943年まであります。

この間裁かれた刑事事件の無罪率は17%程度であったそうです。



これに対し現在の職業裁判官による刑事事件の有罪率は99.9%で無罪率は0.1%程度しかありません。

太平洋戦争をはさんで日本人の国民性が異常に犯罪化したわけでもなく、検察官の立件能力が天文学的に向上することなどありえません。



この数字だけからも冤罪で罪を被る人は、16%強いるというとても恐ろしい仮説が見えてきます。



IRや監査、内部統制、FOX法等資本市場の監視体制は、その実効性には諸議論あるものの、これらは一定の監視効果や抑止能力が働いています。



司法に対しては、監視効果はほぼないように見受けられます。自分と関係ないじゃん。というのがそのもっとも大きな理由だと思いますけど。自分なら今までは特に意識せずに、逮捕と聞けば少なくとも疑わしいことやっている人だと感じてしまっていました。



少しでも興味の向く人は、また司法関係の実務につかれている方ならば、是非読んで欲しい本です。



著者の本に対するコメント:http://www.maruzen.co.jp/Blog/(S(luj5rd554nbr5qrrygzpmw45))/Blog/maruzen05/P/1597.aspx