先日、会計士の先輩と久しぶりに会って飲みました。
つい3ヶ月前から某大手監査法人の不動産ファンド専門の監査部門に勤める事になったらしい。
メンバーは30人程度、実際監査法人で不動産ファンド専門の部隊を持っているのは、二つだけらしいから、
ほとんどの不動産ファンドを持つ大手は、レンダーや投資家からお金を引っ張ってくるために、会計士の監査の報告書を必要とするため、話がめっちゃくるらしい。
不動産の流動化っていうのは、一言でいえば不動産をお金に換えることだ。
また、不動産の証券化というのは、一言でいえば不動産からのキャッシュ(お金)を証券で運用できるようにすることだ。
そのからくりを理解するのはそう難しいことではない。
でも、今後どうなっていくかを予測するのは、とても難しい。
よくもういい物件は出回って、不動産ファンド事業も一巡しまたどうせバブルが来るだろうという予想は耳にしたことがある人が多いと思う。
実際、まあ会社名は伏せておくけどいわゆる大手のトップのAM達も皆うまみがなくなっている現実には気づき始めている、なので不動産流動化以外の方法で儲けをつかまなくてはということを模索しはじめ行動しはじめている。
そんでもって、先輩ともし起こるとしたら次回のバブルはこうなることもあるんじゃないかなんて話をした。
過去のバブルを見てみるとその引き金を引いたのは、プラザ合意により日本円が強くなりお金が日本に入りやすくなったのがその原因って話がありますよね。
そんでもって土地神話にささえられ、あまったお金がキャッシュフローベースで捉えた資産価値ではなく、取引事例等に支えられた不動産価値に着目して、それすら凌駕して流れていきました。
それが、総量規制でお金の流通量がしぶられ、大金だして買っても賃料は投資価格に対しては当然割安かつ、土地神話に支えられ出口(売却先)はあるものと過信していたところが、お金が出回らないため出口がみつけられなくなってしまったと。
借金背負って売却による譲渡益目的のそれに頼った返済方法が達成できず、売れずにだめになってしまった人がとても多かった。いわゆる最後にばばを引いてしまった人達ですね。途中で売り抜けた人は良かったんでしょうけど。(詳しくは、こちらを参照ください。 )
じゃあ、今は収益還元法なんて考えも出てきて、実際の賃料をベースに不動産価値を認識し、さらにAM(アセットマネージャー)が金融商品として不動産にかかわる法律的、税務的リスクを回避できるよう不動産流動化法や昨年施行された信託法なんかに基づいて運用しているから、バブルの時と同じような下落はありえないということがよく言われていると思う。
これは一部では正しくて、一部では間違っているというのが先輩と自分の考え。
正しいと思うのは、バブルのときと今とでは不動産を所有していても賃料ベース(キャッシュフローベース)で捉えているから、なんとか借金は返せてそこまで破滅的ダメージにはならないであろうということ。
間違っているのは、結局ばばをつかんだ人は大損してしまうとういうこと。
どういう事かっていうと、バブルの時と同じ点で説明するならば、出口が見つかりにくくなるということ。
なんでかというと、外資が今の日本からかなり引き上げている状況があるからだ。
個人でレバレッジきかせて借金背負って長期で持つ人なら、賃料さえ入ってくれば後20~30年もっていられるのでそう関係ないかもしれないんですが。景気の並みに賃料が左右されることはあっても、借金を返せなくなるようなことにはそうならないので。
但し、不動産ファンドなどでは、金利があがって求められるリターンが増えて、さらにレバレッジをきかせていている分のうまみが支払い利息が増えてきえることにより、組成しづらい状況が増えてくるし、大きくリターンを増やそうとしたら出口に期待せざるをえなくなる。
今あるファンドだって組成しおわっているし固定金利なら影響が少ないと思うかもしれないが、そういうリートなどが、保有しづらくなった不動産の最終所有者になる可能性が高い。
なぜかというと、その場合の損失はだれが負担するかというと小口の投資家だからだ。
サブプライムローンの問題も、いわゆるSMBC等の手法の資金調達方法も、結局ばばをつかむのは最後にその資産に投資をしていたひとという仕組みになっている。
はじめから出口(売却)を前提とした場合なんて、かなり厳しい状況になると思う。売り抜けでレバレッジをきかせる方法はなかなか通用しづらくなる。
なので、大きな流れとしては不動産価値の下落が起こると思われるというのが、実態にどういう影響を与えるかはちゃんと検証してみないとわからないです。
あんまり面白い話ではないかもしれないけど、そうはいっても不動産証券化の市場規模は25兆円。
この業界の構造が変われば影響はかなりでかいので、出口が見つからないバブルは起こりうると思います。