色々な知り合いに勧められて見て来ました。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」



ちょうど流行っていた時期、日本にいなかったこともあり、あんまし内容に詳しくはなかったのですが、相当映像がすごく面白いと聞き、見に行ってきました。



感想は、映像がひたすら凄かった。一見の価値は十分にあるかと思います。



アニメ、漫画、ゲームなどがとても強い日本。



その中でも相当な人気を誇る今作品なので、ジブリ並み、あるいはそれを超える金額と時間かけてきているのかなぁと思いました。



続きが出たらまた見てみようと思います。



以下に、ある作家が書いた、EVAの感想を抜粋してみます。



かつて、世界を変えたアニメがあった。
 十年が経ち、あのころの記憶も掠れ、他人事のように消費されていったものがあった。

『はやり廃りが娯楽の常。
 昨日まで面白かったものが、明日にはなんだか微妙なものになっている。
 楽しかったけどやりすぎて飽きてしまった。よく考えれば、こんなの時代遅れだよね―――
 こんな感じで、娯楽には鮮度がある。
 いつまでも頂点に有り続ける娯楽はない。
 娯楽自体は何一つ変わらずとも、消費する方の気持ちが変わっていく。
 娯楽はその在り方を一途に守り続けるのに、変化を続ける生き物には、その誠実さを評価できない』

 いつか、そうやって“確か”だった思い出も薄れていく。
 あのころの熱狂も、焦燥も、愛憎も、ただのまやかしだったのではないかと言い聞かせるように納得して老けていく。

 だが。
 そんな不誠実な心を打ち砕くように、不死鳥は灰になってなお蘇った。

 
 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

 この怪物を覚えておけ。
 かつて、どころの話ではない。
 この作品には確かに世界を変える力があった。
 そして今も、変えていく力がある。
 あの頃のまま、いや数倍もの牙をもって、容赦なく蹂躙する力が。
 少しでも興味がある者、かつての思い出を残す人は映画館で観るべきだ。
 これはリメイクなんて生やさしい―――そう、そんな本当に“優しい”話ではない。
 かつてエヴァに影響を受けた人間すべてを叩きのめし、瀕死にまで追い込んだ後になお惚れ直させる暴力の化身である。

 約二時間、完全に燃え上がった。
 日陰者(オタク)で良かったとニヤついた。
 これだけのご馳走を、二度も、しかも最高の状態で楽しめる年代で良かったと吠えあげた。

 愛憎いりまじり、かつての熱も今の醜態も知っているからこその喜び。
 スタッフロールの後、あれだけ消費つくされたものを完膚無きまでに復元し超越したこの奇跡。
 スタッフの十年間がどれほどのものだったか思い知らされ、“この十年、何も成長していない”と自らの手を睨みつけた戦慄を、きっと多くの人間が味わう事になる。

 ようするに、俺たちはまたこの化け物に振り回されるのだ。
 これを幸福と言わずなんと言おう。
 これだけは若い子には経験しようのない、リアルエヴァ世代のご褒美だぜ?



 ……などとまあ、もったいつけて美辞麗句を並べ立てているワケですがっ!
 観てきました「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」!
 ああもうダメ。死ぬ。凄すぎて死ぬ。「破」まで誰かにコールドスリープしてほしい。もう細部にいたるまで楽しすぎてダメ。迎撃システムの動きだけで鼻血とかでる。ネタバレになるので書けませんが後半40分はもうなんつーか、抱いて!もう好きにして!という全面降伏。擬人化なんかしなくても素で可愛いよラミエルたん。もうこれを越えるビームキャラは登場しないんじゃないかっていうぐらい。劇場版の後、家かえってテレビ版のヤシマ作戦とか観たら「なにこの茶番?パイロット版?」とか言って笑ってそう。当時あんだけカッコイイとか連発してたクセにね!でもそれぐらいの破壊力。そして地獄力。見終わった後の井戸端会議で「カラーは明日にでもブレーレイディスクで発売すべき」と100%本気でコメントするつくりものじ。リッちゃんの水着白衣がなくなって悲しいと嘆く虚淵玄。そういえばリツコやけに男顔じゃなかった?といぶかしむ奈須きのこ。その時の我々は間違いなくテレビ版当時の我々であり、まさか本気であのころの“いてもたってもいられなさ”がやってくるとは思わなかった。二十代に決着などつかない。むしろ若返った。私ゃただでさえ精神年齢若いのにこれ以上若くされても困る! きのこロリ化フェノメノン! でもまあ、観た人みんな若返るんだから別にいいよねそんな些末な事は、と言い捨てて細かい演出の検証に入るダメな大人たち。レイトで観終わった後の、深夜零時の事である……。


 ……と、こんな感じで新劇場版に関してなら二時間も三時間も話せるのですが、駄文はこのあたりでストップするのがどなた様にもよろしいかと。

 最後に締め感想を。

 新しいものを見せていただきました。感無量です。
 スタッフロール中、誰一人として席をたたない映画というものを初めて体験しました。
(必然、劇場から外に出る時も混雑して出られなかったのも初体験)

                     ◆◆◆

 ―――夏はまだ終わってはいない。
 そこの友よ、今日ならまだギリギリ間に合うぜ。
 今年の夏の終わりは、日本最高峰のSF(おたく)アニメで飾るってのも、悪くない話だろう?