不動産業はクレーム産業と呼ばれるほどクレームが多い業界です。それは、本当に色々な人と付き合っていかねばならないからだと思います。



管理をやっていく中で学んだ事を総括して記してみたいと思います。



まあ興味のない人は読み飛ばしてください。m(_ _ )m



クレーム処理は初期対応を誤ると、長期に問題を長引かせる要因となります。相手の心理状況を踏まえながら、冷静に対応していくことが大切です。会話の基本的な流れと言ってはいけないタブーを意識しながら真摯に対応していきましょう。



■クレームが起こるケース

・自身の対応が悪いケース

・他人(業者や他のテナント等)が原因となるケース



原因が自分にあったら素直に反省し、他人にあった場合は割り切って対応が必要となります。



■クレーム対応の流れ

しっかり聞く(感情の針を戻す)

相手は冷静な判断ができない状況にあります。まずはじめは冷静な会話が成り立つ様に、相手の感情を通常に近い状態に戻すことが重要です。

そのためには、相手の話をしっかり聞き、申し訳ない姿勢を見せるといいでしょう。


・共感する(そうですよね、そう思います。)

・リピート(こういうことで怒っているんですよね)

・言い換え、要約(漏水を二日後に対応したことを怒っているんですよね)

・相手の主張の把握


信頼を得る

怒りながらも、相手が信頼できると思えると、相手の話に耳を傾け、話が進むようになります。


・相手を思いやる姿勢を忘れない(相手の営業にどのような影響を与えるか)

・自分に置き換えて表現する(私だってそういうふうにされたらいやですよ)

・礼儀

・約束を守る(簡単な約束を提案する) 「何時に解決するんだ!」→「何時までに一報いれます。」

・会話を明確にする(あいまいにしない) 言った言わないにつながならないように(特にお金関係)

・対応のスピードを高める(優先順位を高く設定するなど)

・滑舌よく話す


会話をリードする

会話の主導権をとる事で、徐々に対等な関係へと持っていくことができます。(謝っている間は対等ではない)


・提案する

・先に相手の考えている事をいう(自分から解決に向けていく方法を提案する)

・矢継ぎ早に話す

・簡単なことでも相手に「はい」と言わせる(連絡先をきく、名前をきく、住所をきく、様子をきく)

・視点の切り替えを行う(ミクロ、マクロ、オーナー、テナントetc)ビル全体でみたら~オーナーの立場でみたら等


会話の終了前に内容の確認を行う

最後に確認をしっかり行う事で、①相手の会話を理解していること②解決へ向けて努力しようとしている姿勢、ボールの所在の明確化・勘違いの防止・「はい」と言わせる会話の主導権の獲得等、これまで書いてきたことの集大成として効果を発揮できます。



■対応における注意事項

・タブーを言わない

・相手のレベルに応じて言葉を選択(具体的に説明しすぎない)

・結論となることを言わない(管理会社に結論はいえない、オーナー等の承認が必要となる)

・クレームを受けている自分が被害者ではないという気持ちを忘れない

・相手に期待を持たせない(いいことをいわない、希望的観測の中でしゃべらない)

・同行してもらう場合や担当者として併記している人への報告時は、早期に整理して伝える(報連相の徹底)

・上司は有効に活用する(謝るためにいると思ってくれてもいい、抱え込まないこと、会社(組織)で対応)



自称クレーマーという上司から習った教えです。



クレーム処理になれると、色々人の話を聞くことの大切さや、相手の文脈で話を組み立てる事の大切さがわかりますので、いい経験にはなると思います。



特に、初期鎮火で十分怒りの炎を消せたはずの事が対応を誤ることで着火し燃え上がらないよう気をつけるものとても大事です。(。-人-。)