Open Sesame!

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セサミ数学スクールの及川のブログです。

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昨日のニュースで、AIを利用した農業について報道されていました。

会社名や詳細な内容を聞きそびれてしまったので、私が覚えている限りで書きますと、

土壌の状態や作物の状態をAIが分析して、水や肥料などを適切なタイミングで適切な量を与えるというもので、

水分供給量を20%も削減しながら、効率よく農業を行えるそうです。

世界10か国以上で導入され(※多分・・・)、日本でもすでにお茶の栽培に利用されているそうです。

AIを利用した仕組みを構築すれば、それは世界中どこでも利用できるので、強いですよね。

このAIを開発したのはイスラエルだそうです。

 

ところで、wixというホームページ作成ツールをご存知でしょうか。世界中1億人以上に使われていて、セサミ数学スクールのホームページでも利用しています。テンプレートや無料のイラスト・写真・動画が豊富で、何より使いやすいです。私は説明書も何もなしで、感覚だけで何となく作ってしまいました(※本当はもっとド派手なサイトを作りたかったのだけど、塾らしくないといわれ、地味なのにしました…)

ともかくも、作りやすさについては抜群なのです。

これを開発するのは大変だけど、いったん開発してしまえば、全世界で使われるので、これまた強いですよね。基本無料から始められるのですが、痒いところに手が届かないようなうまい仕組みになっていて、月額1000~2000円くらい支払っています(細かいことは忘れた)。

月額1000円と少なめに見積もったとしても、毎月の売上高は1000億円、とんでもないですね!

 

セサミのプログラミング教室で利用している『コード・モンキー』もイスラエルが開発したものです。これも、説明書なしで感覚だけで何となくプログラミングが書けてしまうという優れものです。スクラッチと違って、英文字をタイピングする本格的なプログラミングが学習できて、すっごくいいです。

日本ではあまり有名ではないですが、全世界130万人以上に使われていて、イスラエルでは小学3年生以上の8割が、コードモンキーでプログラミングを学習しているそうです。

 

私が紹介しようとしている『ホモ・デウス』の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏もイスラエル出身です。

ハラリ氏について、軽く紹介すると、イスラエル出身で、オクスフォード大学で学び、現在エルサレムのヘブライ大学の歴史学教授です。

『ホモ・デウス』の前に出された著書『サピエンス全史』(※これについてもそのうち紹介したい!)が世界的なペストセラーになったことで、一躍世界中で有名になりました。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏や、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏などが大絶賛したことで、よりプッシュされたと思います。

ちなみにハラリ氏は同性愛者でカナダで男性と結婚し、また卵・乳製品も含めた動物性食品を一切摂らないヴィーガンでもあり、こういうことを書くと、日本人の一定の割合の人たちからは敬遠されそうだなぁとも思ってしまいます、まぁいいや。

 

で、ハラリ氏の母国のイスラエルは、IT系に非常に強いのですが、その主な理由は下記の2点が挙げられると思います。

①ユダヤ系のため教育水準が高く、また科学研究の水準も非常に高いこと

科学研究の水準については、少々長いですが、ウィキペディアから抜粋すると

イスラエルは、科学研究の水準が非常に高い。イスラエルは専門資格を持った人材資源が豊富であり、科学技術の研究開発に注がれる資金の額は、2007年度のデータではGDPとの比率でみると世界1位である。また国際的な研究協力も重視し、欧米諸国のみならず各国と積極的に連携を行っている。

 

医学とその周辺分野、並びに生物工学の分野では極めて進んだ研究開発基盤を持ち、広範囲な研究に取り組んでいる。研究は大学医学部・各種国立研究機関を始め、医薬、生物工学、食品加工、医療機器、軍需産業の各メーカーの研究開発部門でも活発に行われている。イスラエルの研究水準の高さは世界によく知られており、海外の医学、科学分野、軍事技術の研究諸機関との相互交流も盛んである。また、イスラエルでは医学上の様々な議題の国際会議が頻繁に開催されている。さらに軍需製品の性能・品質は世界に見ても非常に高く、このような科学技術の発展にはソ連崩壊による100万人近くの移民に多くの研究者・技術者が含まれていたことも大きく影響している。

また宇宙開発技術も高く、独自に人工衛星も打ち上げている。

②第二のシリコンバレー:IT関係の新規事業が非常に多いこと

イスラエルは宗教的・政治的状況から、軍事関係のサイバー・セキュリティー技術が非常に高く、現在その技術をもとに多くの人々が起業をしているそうです。スタートアップの場所としえては世界的にシリコンバレーが有名ですが、イスラエルは第二のシリコンバレーと呼ばれているほどです。

2017年7月18日付のForbes(フォーブス)誌に掲載された『イスラエルが820億ドル規模の業界をリードするサイバーセキュリティ大国になった6つの理由』によると

(1)政府主導による強化

・2011年に『サイバーセキュリティの分野で5年以内に世界の5位以内に入ること』を国家目標とする

・ちなみに某国のサイバーセキュリティー戦略本部の担当大臣は、パソコンを使ったこともなくUSBも知らないと発言し、世界中から失笑されています。ああ、にほ〇、おわた・・・

(2)軍隊で学んだサイバーセキュリティ技術を起業に利用できること

(3)教育による人的資源の育成(高校入試科目に『サイバーセキュリティ』があるのです!)

(4)多角的視点の重視

・IT以外の分野(科学・法律・心理学・社会学・経済学)を専門としている人々が、ITを深く学習できる環境が整っているため、学際的な視点からITを応用しようという発想が生まれやすい

(5)サイバーセキュリティへのアプローチの変更

(6)失敗しても再挑戦できる社会的環境

 

私がセサミでプログラミングの授業を始めたのも、別にプログラマーを育てたいわけではなく、ゲーム作りを促進したいわけでもなく、IT以外の様々な分野において、ITを活用する発想を持てるようになってほしいからなのです。

日本ではそのような対応がなされているとはとてもいいがたく、私の意図も伝わらないこともあり、歯がゆく感じることもあります。

 

社会的・宗教的に複雑極まりない特殊な環境下にあり、さらに国土の半分がネゲブ砂漠で占められているイスラエルだからこそ、上記のような発展ができ、さらにはハラリ氏のような人物を輩出できたのかもしれません。

私はいかなる宗教にも団体にも所属していないし、特定の信仰も持っていない人間です。

 

で、『ホモ・デウス』に戻ります。この本は3部から構成され

・第1部では、ホモ・サピエンスと他の動物たちとの関係を取り上げ、どうして私たちの種が特別なのかを理解することを試みる。

(省略)超人的な知能を持つサイボーグが普通の生身の人間をどう扱うか、みなさんは知りたいだろうか? それなら、人間が自分より知能の低い仲間の動物たちをどう扱うかを詳しく調べるところから始めるといい。もちろんそれは完璧な比較にはならないが、たんに想像するのではなく実際に観察できる最良の手本となる。

 

・第2部は、この第1部の結論に基づき、ホモ・サピエンスが過去数千年間に作り上げた奇妙な世界と、現在の重大な岐路へと私たちを導いた道筋について考察する。

 

・人類と人間至上主義の協議について得たはるかに深い理解に基づき、第3部では私たちの現在の苦境と、人間がたどりうるさまざまな未来を説明する。人間至上主義を実現する試みが、なぜその凋落につながりうるのか? 不死と至福と神性の探求が、人類への私たちの信頼の基盤をどうして揺るがすことになるのか? この激動にはどのような前兆があり、私たちが日々下す決定に、それがどう反映されているのか? そして、もし人間至上主義が本当に危機に瀕しているのだとしたら、何がそれに取って代われるのか?

昨年末に、町田の本屋久美堂をふらふらしていたら、『ホモ・デウス』が大々的に売られていて、何となく買いました。そうしたら、そこに書いてあった一部の内容は、私はここ1年間考え続けてきたこと・悩み続けてきたことに大いに関連していたので、非常に驚き、そしてここで書こうと思ったのでした。

 

今日の文章はまとまりがあまりないけど、これから出かけるので、許して!

 

 

 

 

天気のような複雑系には、私たちの予測にまったく影響されないものもある。

それに対して、人間に関連した物事が展開する過程は、私たちの予測に反する。

それどころか、その予測が優れているほど、より多くの反応を引き起こす。

したがって、逆説的な話だが、データを多く集め、演算能力を高めるほど、突飛で以外な出来事が起こる。

​私たちは知れば知るほど、予測ができなくなる。(ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』)

​大学3年の夏、1ヶ月ちょっとかけて中国を旅行して回りました。旅行の前日までバイトして、バイトで稼いだ全財産持って大きなリュック背負って。当時の中国の平均月収は3000円、私の家庭教師でもらってた時給は2500円、チベットでは女の子が500円で売られてた。ジーンズを着ているのは外国人だけで、多くの人々は人民服を着ていた。それから30年以上経ち、中国は大きく変化した。

ファーウェイの初任給は40万円。日本の大卒男子の初任給は1988年には15万3000円、1998年には19万5500円、2008年には20万1300円、2017年には20万7800円。

また、1995年と2015年のGDPの推移を見ると、中国は20倍、韓国・アメリカ・イギリスは3倍、日本はマイナス成長。

    1995年 2015年
中国  100  2001.56
韓国  100  322.14
米国  100  301.71
英国  100  298.35
イタリア  100  199.75
ギリシャ   100  180.65

日本  100  99.31 

内閣府発表の平成30年版高齢社会白書によると、2017年10月の日本の人口は1億2671万人で、そのうち65歳以上が占める割合は27.7%、75歳以上が占める割合は13.8%となっています。

また、65歳以上人口:15~64歳の人口の比率をみてみると、

昭和25(1950)年には1:12.1

平成27(2015)年には1:2.3 であり、更に将来的には

そして、2065年には1:1.3 となると見積もられています。

​​これらの数値をみて、セサミの皆さんは何を感じますか?

さて、新年の挨拶に代えて、先にあげたイスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『ホモ・デウス』について紹介していこうと考えています。

全世界で800万部も売れた『サピエンス全史』を書いたハラリ氏が、人類とテクノロジーの未来について書いた本が『ホモ・デウス』です。

学校の成績のため、試験でいい点を取るために勉強する、そんなくだらない目的なんて蹴散らしてほしい!

本気でそう思ってます。

そんな願いをこめて、この本について紹介していけたらと考えています。

この予測は、予言というよりも現在の選択肢を考察する方便という色合いが濃い。この考察によって私たちの選択が変わり、その結果、予測が外れたなら、考察した甲斐があったというものだ。予測を立てても、それで何一つ変えられないとしたら、どんな意味があるというのか。(ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』)

あっちを見たりこっちを見たりして、まわりに気をつかいながら、カッコよくイージーに生きようとすると、人生を貫く芯がなくなる。

ぼくだってちょっしゅう行きづまっている。行きづまったほうが面白い。だから、それを突破してやろうと挑むんだ。もし行きづまらないでいたら、ちっとも面白くない。

行きづまりをきりひらくには、ぼくのように、行きづまりに追われたら逃げないで、むしろ自分自身を行きづまりに突っ込んでいく。強烈に行きづまった自分に闘いを挑んでいくことだ。

行きづまりをこえ、うれしく展開させてゆくんだ(岡本太郎『自分の中に毒をもて』)

こういう人間になりたいって言ってそこを目指してやっていくのってそれはそれで面白くない。

自分が想像だにしていなかったところに​辿り着いたらいいな。(米津玄師)