朝は王様のように。
王様、旬の柿もお召し上がりくだされ!


昼は貴族のように。
貴族?貴族?貴族?


夜は貧者(「貧民」ではなく「貧者」でした)のように

息子よ、母は米を作ったことがありません。
これは恥ずかしいし、そして不自然なことなのかもしれませんが、
母は米の作り方すら知りません。
それなのに、母は毎日十分な米を炊き、
あなたに与えるわけです。
米を得るために何の苦労もせず、
毎日、あなたにたくさんの米を与え、自らもたらふく米を食います。

あぁ、こんなのは自然の摂理にあっていない。
なんとかしなくては、と思うのですが、
だからといって米作り体験に行くわけでもなく、
まして、農家になるわけでもなく、
虫も苦手です。
あきれるくらい行動力のない母です。

食べるものがなかった時代、
子ども達に毎日ごはんを食べさせること、
それがとても難しかった時代、
子どもにその日のごはんを与えられることは、
親にとって、何にも勝る喜びだったのではないか?
その幸福感を母はきっと味わったことがありません。
また、味わう資格もありません。

母は何の努力もなしに、食料を得、
やれ栄養だの、やれ彩りだの、
躍起になって作っておりますが、
なんだか、これで本当にいいのかしら、
と、今日はそんなことを考えながら
あなたと一日を過ごしました。