まずは環境データの話
環境モニタリングなど自然現象の観測で何年もに渡ってデータを取り続ける理由は、データ取得が一年だけだとその年が特殊な年だった場合に他の年に当てはまらない場合があるからです。そのデータが異常なものなのか問題ないのかを確認するためには平常がわかっていなければなりません。しかし季節の移り変わりがあるので、一年前の同時期と比べるということになりますが、一年前が異常だったのか問題なかったのかもわかりません。ですから複数年にわたってデータを取り続ける必要があるのです。これは再現性を確認するために複数年にわたってデータを取り続けるという事に他ならず、実験を繰り返すというのと同じ意味を持ちます。そのようにしてデータ採取を繰り返すことで過去10年くらいの観測結果の平均と標準偏差を求め、平均値を平年値とし、平均値±標準偏差の範囲内であれば平年並みということになります。
環境データは公的機関がモニタリングを行っており、観測頻度は月一回程度のものですが、自由に閲覧し利用することができます
そして釣りに纏わるデータ採取の話
毎週釣りに行き、ある魚種がコンスタントに年間トータルで1000尾釣れたとしても一週間単位で解析しようとすると約20尾/週にしかならず、とうぜんよく釣れる日もあればそうでない日もあり、釣果はばらつきます。単年度ではとてもじゃないけど解析に絶えれる標本数となりません。ですから毎年の繰り返しが必要となってきます。最低でも3年分の繰り返しが必要でしょう。
さらに、毎週釣りに行ければいいですがそういうわけにもいきません。当然欠測日が出てくるわけなので、現実には10年近くデータを取り続けないと解析に耐えれるだけの標本は集まらないでしょう。
釣りに関するデータを何年も取り続けばければならない理由はこの一釣行で得られる標本数の少なさにあります。
月齢、干満、日の出日の入りも毎日変化しますので、釣果に繋がる主要因を見つけ出すのはとても困難です。たとえ多変量解析でそれなりの決定係数が得られたとしても、考慮できていない未知の交絡因子がどれだけあるかもわからないので因果関係の説明も説得力に欠けます。
何年も経てば魚は成長しますので、成長に伴って生活の場を変えてゆく魚種の場合には魚群が入れ替わります。釣れる魚の母集団が変わるので、それまでの解析結果とのズレが生じます。このズレが定期的に起こるにせよ不定期に起こるにせよ、必ず起こる想定内のバラツキとして許容しなければなりません。
何が言いたいかというと、釣果情報を集めてその釣果の背景にある環境情報を紐付けしようとしても、再現性を得ることは難しく、ましてや未来の釣果を予測するというのはとても困難だということです。
Manboo釣れる時間
それでも30年以上前に大釣予報に挑んだ方がおられました。
今はもう閉鎖されていますが、「Manboo流大釣りの極意」「自分らしく生きたいなら社長になろう」の著者である坂井廣さんが運営されていた「Manboo釣れる時間」というサイトです。
このサイトでは、魚が釣れる時間を予測して提供しながら広く釣果情報を集めていました。
基本的には釣りたい魚種と釣り場の大まかな地域と釣りに行きたい日を入力することで予測計算させるというもので、太陽と月と地球の位置関係から、地域ごとに魚種ごとの活性の上がる時刻を計算するというアプローチで、どうしても再現できなかった部分が木星の軌道を加味することで解消されたというお話が「Manboo流大釣りの極意」で紹介されています。
結論
とはいえ、あくまでも魚の活性が上がるであろうと予想される日時が出力されるだけで、その日のその時刻に釣りに行ってもそこに魚がいなければ釣れません。
結局は、釣れるか否かはそこに魚がいるかどうかが最も大きな要因になるのでしょう。