私がはじめて体の変化に気づいたとき、大きな総合病院へ行きました。なんとそこは、今思い出したくもありません、カーテンで仕切っただけのトドの寝床のようなところで5~6人がはずかしい格好のまま5分も待たされたのです。 もちろん2度と行きませんでした。次に町のちいさな個人病院へいったのですが、個室の真ん中の拷問台のようなものに乗せられ、おじいさん先生と若い先生が(親子でした)ふたりで一緒に診察するのです。

まだうら若かった私にとってそれはそれはつらい経験でした。 家に戻って2度と病院へは行きたくないと主人に泣きついたものの、初めての妊娠です。ひとりで産む自信はないし、かといってあんな嫌な思いは絶対にいや、 そんなこんなでつわりもはじまった頃、主人が人伝てにお産婆さんを見つけてきました。 渋谷のご自宅で1ヶ月に4人しか取り上げないと言うおばあさんの助産婦さんでしたが、そこはもう強引に無理やり頼み込んでやっと承知してもらいました。当時70歳を超えておられたのでお元気ならもう100歳に近いお年だと思います。 妊娠は病気じゃない、から病院に行く必要はない。これがお産婆さんの口癖。逆子になったときもお腹をマッサージするだけで直してくれましたよ。1000人以上も取り上げた経験の持ち主ですべて自然分娩で、産ませたと言うのが自慢でした。 いつもいろいろな話を聞かせてくださるので、私は毎月1度の検診が楽しみでした。ジュニアが生まれた日は5月5日の暑い日でしたが、主人とお産婆さんとそこのお嫁さんが3人がかりで取り上げてくれたのです。私本人はあまり、大変ではなかったのですが、へその緒が首に絡んでいたので、かなりの難産だったそうです。「病院ならとっくに切られてたわよ」なんて言われて後でぞっとしましたけどね、その日の夕食に、お産婆さんが鯛のお刺身を出してくれました。おいしくておいしくて、あの日の事、一生忘れません。 なんて、しんみり思い出している場合ではないのです。今日はつわりの意味について書くつもりだったのに横道にそれてしまいました。 そのお産婆さんは経験豊富なので、

ものすごい物知りでした。私がつわりで苦しんでいるとき、「お母さんを動けないようにするためにつわりはあるのです。人間の体はものすごくうまく出来てるから、今じっとしていなければならない時だと教えてくれているのよ。食べたくないものを栄養だからなんて無理にとる必要はない。すべて身体と自然が教えてくれるから」要約するとこんな事を言っておられたと記憶しています。私はとてもラッキーだったと思います。 生まれてからも、何かと電話で相談にのっていただいて、お蔭様でずーと健康に過ごせました。

信じられますか?うちの息子は22歳の現在まで1度も病院へ行った事がないのです。(生まれたのも病院じゃないし、でも歯医者さんには行きましたけど)

つわりのひどいお母さん、頑張ってね、もう少しで動けるようになるからね、

また明日