「ほおぅっ・・・秋の野の吾亦紅ですか。これでは襟の高いインナーしか着ることができないはずですね、祥子さん」
茶室の引き戸に手を掛けた時、長谷川様の声が聞こえた。
どんなことになっているのだろう。そっと・・・音を立てぬように引き戸を開け水屋続きの控えの間に座る。
襖一枚隔てた茶室の2人はどんな媚態をさらしているんだろう。
「スリップのレースの刺繍よりも艶やかですね。ふふふ、いくつ付いているんでしょうか 祥子さんの恋人は情熱的なんですね。それとも嫉妬深いのかな。どこまで付いているんでしょうか。確かめさせてもらいますね。」
押し殺した声だが拒否できない響きをもった魅力的なテノールだ。
襖の向こうでは祥子様のインナーの下が露になっている。
あの・・・洋服の上からも明らかなたわわな乳房が・・・きっと白い肌が・・・あぁ

「手に吸い付くような白い肌ですね。いい感触だ。」
長谷川様の声もため息まじりに聞こえる。正座した膝に置いた私の手のひらにさえ、あのミルクを溶かしたような白い肌が吸い付く・・気がした。
「下乳のこんなところにまでついてますね。あ、ここにも。」
本当にいくつキスマークを付けられているんです・・祥子様。どんな男に付けさせたんだ。
私が夢で2日とおかず犯したときのものが実際に付いていた?・・・そんなはずはない。
「僕も一つ加えさせてもらおうかな。祥子さん」
止めろ・・・止めてくれ。
「んくぅ・・・あう・・やめて」
いままでは喘ぐような微かな声しか聞こえなかった祥子様の声が・・・響く。きっときつく吸っているんだ。
あぁ・・・私もあの白い肌に赤い印を付けたい。
私はもうトランクスを先走りの汁で濡らしてしまっていた。