サービスチーフがいつものアウスレーゼをグラスで、それにお友達のビールをお持ちする。
ありがとう・・・の形に祥子様の唇が動き、微笑みを投げる。
ウチの若いのにまでそんなに微笑まないでください 祥子様 そんな言葉が唇からもれそうになる。
「今夜はゆっくり聞いてられるんだろう」沢田が無邪気に赤ワインを飲みながら口にする。
「ああ。久しぶりにゆっくり聞かせてもらうよ。」
「このところライブの時ほど忙しいみたいだからな。」
「まったく、何でこの企画をスタートしたかわからないな、これじゃ。」
わざと苦笑いをしてみせる。
「今夜の祥子さん いつもと感じが違うと思わないか?」
唐突に沢田が話題を変える。
いつもどちらかといえばエレガントな祥子様が今夜は珍しくGジャン姿だった。この夏の盛りなのに胸元のピンクのハイネックインナーが鮮やかだ。そしていつものタイトスカート。
「そういえばカジュアルかもな。」
「あんな彼女も新鮮でいいな。惚れ直しちゃうよ。」
「いいかげんにしろよ。」
「いいじゃないか、勝手に思ってるだけさ。」
「お客様が呼んでる。いくからな。」