英語学習の方法の一つとして歌を練習するというものがありますが、中でもラップは、口や舌の動かし方、リズム感などがわからないと歌えないため、難易度は高いですがそれだけ役に立ちます。

というわけで、一つ紹介したいと思います。

随分前のネタですが、「Rapping Flight Attendant」が話題になりました。
アメリカのSouthwest Airlinesという航空会社の客室乗務員(flight attendant)が、ラップ調の機内放送を行ったのです。

動画はこちらから

以下にラップ部分の歌詞と、簡単な日本語意訳を載せますので、ぜひ練習してみてください。まずは何度か聞いて全体のリズム感を把握し、できるところから覚えて歌ってみましょう。

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This is flight 372 on SWA. (SWA 372便へようこそ)
The flight attendants on board serving you today, Teresa in the middle, David in the back, my name is David and I'm here to tell you that. (本日の客室乗務員、中央にTeresa、後部にDavid、ここにいる私もDavid)

Shortly after take off, first thing first there's soft drinks and coffee to quench your thirst. (離陸後には、乾きを癒すソフトドリンクとコーヒーを提供します)
But if you wanna another kind of drink then just holler. (他の飲み物をお望みの場合は声を掛けてください)
Alcoholic beverages will be 4 dollars. (アルコールは4ドル)
If a monster energy drink is your plan that will be 3 dollars then you get the whole can. (モンスターエナジードリンクは一缶3ドルです)
We won't take a cash, you gotta pay with the plastic, if you have a coupon then that's fantastic. (現金は受け付けません。カードでお支払いください。クーポンをお持ちならそれも素晴らしいです)

We know you're ready to get to new places. (新しい場所へ向かう準備はできていますね?)
Open up the bin put away your suitcases. (スーツケースは荷物入れへ)
Carry-on items go under the seat. (手荷物は座席の下へ)
In front of you so none of you have things by your feet. (足元には荷物を置かないで)

If you have a seat on a row with the exit, we're gonna talk to you so you might as well expect it. (ご承知と思いますが出口のある列に座った方には話しかけることがあります)
You gotta help evacuate in case we need you. (必要な場合に避難を手伝っていただきます)
If you don't wanna then we're gonna reseat you. (無理な場合は席を変更します)

Before we leave, our advice is put away your electronic devices. (離陸前に、電子機器をしまって)
Fasten your seat belt, then put your trays up. (シートベルトを締めて、トレーを上げて)
Press the button to make your seat back raised up. (ボタンを押して背もたれを上げて)

Sit back relaxed, have a good time. (リラックスして、良い時間をお過ごしください)
It's almost time to go, so I'm done with the rhyme. (そろそろ時間なのでこの歌を終わります)
Thank you for the fact that I wasn't ignored. (退屈せずにすんだことを感謝します)
This is Southwest Airlines, welcome aboard. (Southwest Airlinesへようこそ)
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公式な歌詞があるわけでもないので、歌詞や和訳に間違いがある可能性があります。
間違いやより良い訳などがあれば、ぜひ教えて下さいね!
今回は、少し脇へそれて、英語の学習法や教材を宣伝するような広告やブログでよく使われる詭弁について解説したいと思います。

前回「お手軽な学習法を信じてはいけない」でも触れましたが、語学に限らず物事の学習方法については、昔から世界中の研究者が研究しています。学校教育や大手の(つまりマトモな)塾や予備校も、基本的にはその研究成果に基づいて授業や教材を組み立てています。

研究というのは何もないところから何かを発見したり創りだしたりすることではなく、紀元前から現代に至るまで累々と積み上げられてきた先人の研究成果を土台にして、そこへわずかでも新しく何かを積み上げて次の代へ引き継ぐ、そういうものです。

有名な相対性理論も、アインシュタインが突然思いついて作り上げたものではなく、先人が組み立ててきた壮大なパズルの最後の数ピースをアインシュタインがはめたのです。

「誰でも簡単に!」「聞き流すだけで!」「赤ちゃんが言葉を覚えるように」などという画期的(に聞こえる)学習法は、どれも既存の研究を無視しているばかりか、はるか昔に否定されたものだったりするわけです。

前置きが長くなりましたが、今回のテーマは、そうした信用するに足らない学習法を宣伝する際によく使われる「詭弁(sophism)」について解説します。

この辺りの本がとても読みやすく、わかりやすいです。
世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

・TOEIC900点超えでも英語が話せない人はいるし、TOEIC500点未満でも流暢な英語が話せる人はいる。だから試験の点数なんか意味がない

これは、「東大卒でも使えない奴はいるし、中卒でも有能な人はいる。だから学歴は意味がない」というのと同じで、なんとなく説得力がありそうに聞こえてしまうのですが、どちらの例も、例外的な事例を持ちだしてそれが普通であるかのように言っています。

「シラフで運転しても事故ることはあるし、泥酔状態で運転しても事故らず帰れることもある。だから飲酒運転は問題ない」という例を見れば、いかにナンセンスな主張かがわかるでしょう。

そもそもTOEICは会話ができるかを測るテストではありません。

「東大生でも体力のあるやつはいるし、中卒でも体力のないやつはいる。だから学歴は意味ない」という例を見れば、この観点でも馬鹿げていることがわかるでしょう。

・英語を身につけた人はこんな勉強法をしていた!だからその勉強法を真似れば英語が身につく

これは「北島康介はこんな泳ぎ方をしている!だから彼の泳ぎ方を真似すればあなたもオリンピックで金メダルが取れる」とか「人間は生物だ。カブトムシも生物だから、カブトムシは人間だ」と同じ論法で、いかにナンセンスかわかると思います。

・文法ばかり覚えても英語は話せるようにならない。学校で習う英語は文法ばかりだ。だから学校で習う英語は役に立たない

これも非常にタチが悪いですが、残念ながらとてもよく見かけます。
文法だけ覚えても仕方ないのは当然です。「英語が話せる風」を装いたいだけであれば文法は不要かもしれませんが,とはいえ文法を覚えないことには短く単純な言い回ししかできませんし、長文を読むなどまず無理です。
次に「学校で習う英語は文法ばかりだ」これも明らかに間違いですが、仮にこれが本当だったとしても、その後の「学校で習う英語は役に立たない」には全くつながりません。

「筋トレだけしていてもスポーツは強くならない」という正しい主張がいつの間にか「筋トレでつける筋肉は使えない筋肉で、筋トレは意味ない」というトンデモ理論に結びついてしまうのと同じです。


日本語の特性と日本の文化的に、日本人は、その主張が論理的に正しいかどうかを見極める力が弱いのです。
英語でちゃんとした文章を読んだり書いたりすることに慣れると、論理構造を意識することが自然になって、多方面に良い影響がありますよ!

逆に、論理的に考える習慣ができていると、英語の文法が手に馴染む感覚が味わえると思います。
ぜひ、論理的思考を養ってみてください!

世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

こんな広告、よく出てきます。



はっきり言いますが、嘘です。
そんなに簡単に語学が身につく勉強法があれば研究成果としてまともな場で報告されているはずですし、それを見出した人はチンケな英会話教室なんかやりません。

「このセミナーを受講したら月ウン百万稼げるようになりました!」という広告と同じで、人の不安な気持ちや欲につけこんだ商売です。

睡眠時間を12分伸ばしたほうがはるかに良いです。

「学問に王道なし」という格言の通り、何かを劇的に簡単に身につけられるなんてことはありません。

あくまで地道に真面目に、でもせっかくなら楽しく勉強しましょう!。

英語をマスターしたいわけですが、なにもひたすら単語帳とにらめっこして、問題集を解いて…とやっていればいいわけではありません。楽しくない、身につかない、役に立たないの3ないです。

数週間~数カ月程度の語学留学にも同様のことがいえます。旅行気分で楽しいですし、短くフランクな表現はなんとなく覚えるのでペラペラになったように錯覚しますが、あまり役に立ちません。

英語「を」勉強するというマインドは捨てて、英語「で」勉強しましょう。

オススメはedXとDuolingoです。

edX

世界の一流大学の講義が「オンラインで」「無料で」受けられます。追加で数千円を支払えば、正式な修了証書も発行してもらえます。
プログラミング、数学、経営、語学など、多岐にわたる科目があるので、興味のある講義を探してみてください。

同様のプラットフォームにはCourseraUdacityもあります。
受講は無料で、修了証書の発行などに追加料金が必要、という形式です。

Duolingo

無料の語学学習アプリです。
楽しく、しかし着実に語学を学べます。

ポイントは「英語で他の言語を勉強」することです。

日本語で英語を勉強するモードも用意されていますが、質が低く役に立ちません。
正解の判定を自動でやっているので、日本語と英語のように成り立ちも性質も違いすぎる言語ではしかたがないことです。
そもそもDuolingoは、初心者~中級くらいのレベルが対象なので、今さらそれで英語を勉強することもありません。

なので、スマホの言語設定を英語にして、英語でドイツ語やフランス語などを勉強してみましょう。
直接英語の勉強になるというよりは、他の言語の発音や文法を知ることで、それまで意識しなかった英語の性質に気づきます。


賢く楽しく勉強しましょう!

皆さん、発音記号の存在はご存知だと思いますが、ちゃんと理解し、使えていますか?

中学校の教科書にも乗っていたはずですが、意識することは少なかったと思います。

http://www.linkage-club.co.jp/entry/hatsuonkigo.html
発音記号の正しい読み方

英語に限ったことではありませんが、発音記号を理解して勉強すると、一つ一つの音に敏感になるため発音も聞き取りも格段に良くなります
綺麗な発音ができないのは、「日本人だから」でも「ネイティブとの会話の経験がないから」でもありません。発音記号の通りに発音していないからです。

よく「アメリカ人も発音記号なんか意識していないんだから、覚える必要ない」というようなことをいう人がいますが、日本人が日本語を話すときに発音記号を意識しないように、アメリカ人も英語を話すときに発音記号なんか意識しません。当たり前の話で、発音記号を学ばない理由にはなりません。

日本語は英語と比べて母音も子音も少ないので、どう頑張っても日本の文字で英語の発音を表現するのは無理があります。例えば、
- カタカナだと「ア」で済んでしまう音でも、実際は4種類以上あります。
- arm, workなど日本語だとアーム, ワークと長音「ー」で表される音も、実は日本語の長音と全く違います。
- bagをバッグ、bugをバグ、と覚えている人がbagとbugを聞き分けたり言い分けたりすることは不可能です。

単語帳などを選ぶときは、レベルや内容以前に「発音記号を表記しているか」を確認しましょう。発音をカタカナorひらがなで表記している単語帳は使うに値しません。
単語を調べるときは、必ず発音記号もチェックして、その通りに発音してみましょう。

以前ご紹介した安河内哲也氏の問題集イ・イクフン氏の問題集は、ちゃんと発音記号を使用している点もおすすめする理由です。

発音記号、覚えるまでは面倒ですが、一度覚えてしまえば常に正しい発音を意識して勉強でき、Speaking力もListening力も向上すること間違いなしです。正しく発音できるようになると英語の勉強はさらに楽しくなります。