僕はまず挨拶の仕方から入った。
キャプテンを三人決め、そのうちの一人に号令をかけさせた。
大きな声で挨拶してから深々と頭を下げ、静止したのち頭を上げる。
当たり前の挨拶だが、それを徹底しているチームは意外と少ない。
次に練習中の声出し。
とにかく活気のある練習をすること。
声が出てなければ最初からやり直し。
次に走る、とにかく走ること。
僕は最初にこんな話をした。
「この短い期間でお前たちを上手くすることはできない。バスケは簡単に上手くなったりはしない。だが強くはできる。それは意識が変わればそうなるからだ。お前たちが今まで積み上げてきたものを最大限に引き出す場所、それがこの選抜だ。」
「上手くならなくてもいい、強くなれ!!!」
「そして、まずは走れ!俺は走れない選手は信用しない。そんな奴は一番大事な場面でディフェンスを粘れない、ルーズボールを追えない、リバウンドを飛べない、シュートは届かないということになる。」
「走らせてみれば、今まで積み上げてきたものがどれほどのものかはすぐわかる。」
そして練習を開始してすぐにその積み上げてきたものの軽さが露呈した。
「お前ら全員チームに帰れ!なにが選抜選手だ(怒)!!!」
ほとんどの選手がまったく走れないのだ。
うちのチームの5年生にもついて行けない始末。
ダッシュでタイムが間に合わなくなると、ラインを踏まない選手が何人も。
すぐに全員を集合させ、こう話す。
「最初に渡した5段階評価の1番を忘れたのか?自分だけ楽しようとズルいことをする奴にバスケをする資格などない(怒)!!!」
さらにはケガが完治していなくて足が痛みますと練習をリタイヤする選手まで。(もちろん練習の厳しさで心が折れただけだが)
体育館は声が出るどころか静まり返っている。
でも、そんなことはすべて想定内。
そのカルチャーショックからが選抜のはじまりだとわかっていた。
また全員を集めて、こう話す。
「お前たちが積み上げて来たものがいかに軽いかがわかったな。そうわかったなら全員腹を括れ。こんなんじゃ代表としての責任を果たせん。」
「そして、あそこが痛い、ここが痛いと言っている奴。5段階評価の2番で俺は言ったはずだ。自己管理のできん奴は練習する以前のレベルだ。練習もできない状態なのにノコノコ選ばれて来るな。参加できないならコーチに相談してすぐに他の選手と代わってもらえ。このチャンスは誰のものでもない。チームを代表して最後まで頑張り切れる奴のものだ。いいな!」
子供たちはきっと「ヤバい!大変なことになったぞ!選ばれるんじゃなかった!」なんて思っていたかもしれませんね。笑
でも、ここから大きく変貌する早良区選抜になっていくのです。
つづく